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知識・ノウハウ(投信)

国内公募投信残高トップ10の変遷 / 変化が大きすぎないか!

投稿日:2019年3月6日 更新日:

投信の残高上位商品は時代と共に大きく変化しています。

ここでは公募株式投信(ETF除く)の上位10ファンドがどのように変化してきたかを掲載します。

特徴的な時期をいくつか選んでランキングを掲載します。

  • 2000年2月:ITバブルのピーク時
  • 2003年3月:ITバブル後の日本株最安値時
  • 2007年12月:リーマンショック前のピーク時
  • 2016年12月:分配型・米国リートが人気化
  • 直近データ

※データの出所:投信資料館、モーニングスター

設定時から1兆円を集めたファンドやピーク時約5.8兆円まで残高が増えたファンドなど、振り返るとかなり面白いデータになりました。

まず、最初に公募株式投信(ETF除く)の運用資産残高とファンド数の推移から掲載します。

国内公募投信(ETF除く)の残高とファンド数の推移

国内公募投信の運用資産残高と本数の推移

2003年頃に13兆円前後の運用資産残高であった公募株式投信(ETF除く)は、急激に残高を伸ばし、2007年には65兆円前後まで拡大しました。

その後、リーマンショックで大きく減少した後、再度、運用資産資産を拡大していますが、2019年2月時点では約62兆円と2007年のピーク時とそれ程大きな変化はありません。

尚、よく新聞等で公募投信が大きく増加しているとの記事を見かけますが、それはETFを含んだ数字の可能性がありますので注意してください。

2019年時点では、日本国内のETFの大半は日銀がETFの買入れで購入している分です。

また、ファンド本数はリーマンショック以降も大きく増加しています。

その結果、1ファンド当たりの運用資産残高はリーマンショック前がピークで、2019年時点では当時の半分程度の水準となっています。

公募投信平均残高の推移

次に、投信残高ランキングの変遷を掲載します。

2000年2月の投信残高ランキングトップ10:ITバブルのピーク時

投信トップ10(2000年2月)

投信の黎明期といっても良いかもしれません。

上記の通り、公募株式投信(ETF除く)全体の運用資産残高が10兆円~15兆円の時代です。

1000億円を超えるファンドも24本しかありませんでした。

ITバブルは欧米の株式も大きく上昇しましたが、ランキングを見ての通り、投信の世界では日本株が上位を独占しています。

銀行窓販は始まったばかりでどの銀行も投信の販売に消極的な時代でした。

ネット証券もようやくスタートしたところでしたので、投信を販売するのは対面の証券会社のみの時代です。

対面の証券会社でも海外の資産クラスに投資する投信はあまり売り慣れておらず、このような結果になったと思われます。

ちなみに1位の「ノムラ日本株戦略ファンド(愛称:Big Project-N)」は2000年2月2日に設定され、設定時から1兆円を集めるとの触れ込みで通称「1兆円ファンド」と呼ばれ、大きな話題となりました。

トラックレコードが良いからではなく、営業力で設定時から1兆円を集めるというのは、今考えれば異常でした。

そのせいか、見事にマーケットのピーク時の設定となり、その後大きく下落しました。

2003年3月の投信残高ランキングトップ10:ITバブル後の日本株最安値時

投信トップ10(2003年3月)

世界的なITバブルが崩壊し、日本では金融不安が継続し、りそな銀行が破綻する直前までいった時期です。

結果的に、りそな銀行に公的資金を注入して破たんを回避したことがきっかけで日本株は底を打ちました。

今では考えられませんが、1000億円を超える公募投信が15本しかありませんでした。

3位の「ノムラ日本株戦略ファンド(愛称:Big Project-N)」は設定から約3年で運用資産残高が約1/3になっています。

このころは「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」をはじめとする海外債券型の投信がいくつか上位に来ています。

2007年12月の投信残高ランキングトップ10:リーマンショック前のピーク時

投信トップ10(2007年12月)

公募株式投信(ETF除く)全体の運用資産残高が60兆円前後となり、1、000億円を超えるファンドも100本以上となりました。

2003年~2007年は海外債券型に加え、海外株式やバランス型など、幅広い種類の投信が人気となりました。

また、「グローバル・ソブリン・オープン(グ囗ソブ)」が5兆円を超える残高となったのをはじめ、1兆円を超えるファンドが複数登場しました。

グロソブのピーク時残高は2008年8月8日の5兆7,685億円で、これは2019年時点でも、日本の公募投信の歴代最高残高となっています。

2016年12月の投信残高ランキングトップ10:分配型・米国REITが人気化

投信トップ10(2016年12月)

この頃の特徴は、毎月分配型で米国リート(グローバルリート含む)に投資するファンドが人気化したことです。

上位10ファンドの内、6本が毎月分配型の米国リート(グローバルリート含む)のファンドです。

フィデリティ・USリート・ファンドBや新光US-REITオープン《ゼウス》は運用資産残高が1.6兆円前後まで拡大しました。

分配金利回りがポートフォリオの利回りを大きく上回っていたことから、タコ配との批判も多くありましたが、投資家のニーズは高く残高が拡大しました。

その後、2017年以降は当時の金融庁・森長官が分配型投信に懐疑的な発言をしたことから、多くの金融機関で販売自粛の方針がとられ、多くの分配型投信は残高が急減しました。

2018年12月の投信残高ランキングトップ10:直近データ

トップ10(2018年12月)

2018年12月時点では1兆円を超える大型ファンドはなくなっています。

分配型投信の販売自粛で大型ファンドが大きく残高を減らしたことが要因の1つです。

また、2016年12月末~2018年12月末の米国リートは円ベースのトータルリターンはほぼ横ばい(-1%程度)ですので、解約が非常に多く発生したことが分かります。

この間、多くの分配型投信で分配金が減額されたことで、高い分配金利回りを期待していた投資家が解約したと想定されます。

また、米国リート(グローバルリート)は長期的に右肩上がりで、トータルリターンでは損益がプラスの投資家が多かったことで、解約がしやすかったことも要因と考えられます。



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