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知識・ノウハウ(株式)

親子上場は時価総額の水増しを招くので禁止にするべき

投稿日:2018年11月2日 更新日:

親子上場とはその名の通り、親会社と子会社が両方とも上場している状態を指します。

日本では2006年まで右肩上がりで増加していましたが、海外投資家からの批判もあり減少傾向となっています。

それでも2018年時点で親子上場企業数は200社以上存在します。

昔からの代表的な例は親会社がNTT子会社がNTTドコモ(約63%出資)、NTTデータ(約54%出資)です。

近年の代表例は親会社が日本郵政子会社がゆうちょ銀行(74.2%出資)とかんぽ生命(89%出資)です。

下記は日本郵政の関係図です。

親子上場・日本郵政

日本郵政によるゆうちょ銀行への出資比率は74.2%ですが、残りの内16.7%はゆうちよ銀行自身が自己株式として保有しています。

よって、実質的にはゆうちょ銀行もかんぽ生命も90%は日本郵政が支配してることになります。

この90%支配している2社に郵便事業を行う日本郵便(100%出資、未上場)を加えたものが日本郵政の全体像となります。

ただし、ここで問題なのは日本郵政は持ち株会社で実際の事業を行っているのはゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵便です。

しかも事業会社3社の内、ゆうちょ銀行とかんぽ生命で利益の90%近くを計上しています。

よって日本郵政の利益の大半はゆうちょ銀行とかんぽ生命によるものです。

一方、ゆうちょ銀行とかんぽ生命はそれぞれ上場しています。

つまり、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の企業価値を株式市場ではダブルカウントしていることになります。(全てダブルカウントしている訳ではありませんがかなり大きな割合です)

上場している3社の時価総額

  • 日本郵政:6.0兆円
  • ゆうちょ銀行:5.8兆円
  • かんぽ生命:1.6兆円

持ち株基準で計算すると

日本郵政ゆうちょ銀行×74.2%+かんぽ生命×89%+日本郵便×100%
= 5.7兆円+日本郵便の企業価値

上記の5.7兆円がダブルカウントされている部分となります。

ゆうちょ銀行とかんぽ生命の企業価値の大部分がダブルカウントされていることになります。

このように親子上場が行われるとマーケット全体の時価総額が実態よりかさ上げされることになり、本質的におかしい状態であると思います。

また、2018年12月にもソフトバンクグループ(9984)の国内携帯子会社であるソフトバンク(9434)がIPOを行い、巨大な親子上場が発生しました。

IPO時のソフトバンク(9434)の時価総額は7.2兆円で、ソフトバンクグループ(9984)の持ち株比率は66%です。

ソフトバンクグループ(9984)にとっては約2兆円の資金調達となり、経営権は完全に保有したままです。

「ソフトバンク(9434)時価総額×66%の部分」はソフトバンクグループ(9984)の評価にも反映されていますのでこちらもダブルカウントです。

健全なマーケットを作っていくうえでも親子上場は禁止にすべきではないでしょうか。

もしくは親子上場する際は持ち株比率を50%未満にしなければならない等の規制を設けるべきです。

金融庁はもっと厳格に規制すべきですし、証券会社も手数料欲しさに簡単に引き受けるのではなく、投資家のことを第一に考え、発行体企業を指導すべきです。



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