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ビジネスモデルの転換で預かり資産を増やそう/稼働資産100億円

2017年2月24日

現在の証券営業のビジネスモデル

もちろん個人差はありますが、一般的なモデルケースとして、営業職員1人当たりの預かり資産は100億以上ありますが、稼働資産は20億円手数料収入は毎月600万円~700万円 → 年間8,000万円と言ったところでしょうか。

稼働資産に対する手数料率は4%と極めて高いコスト率となっています。

通常公表されるデータは預かっているだけの株式や債券なども含まれたデータとなるため手数料率は1%未満となっていますが、実施に動いている顧客だけでみると極めて高いコスト率です。

手数料率が5%近くの仕組債(仕組み預金)の販売、販売手数料が3%前後の投資信託の回転売買、同じく手数料が確保できる保険・新興国の外債・株式の売り出し案件、このあたりが通常の、資産アドバイザリー業務にかかわっている方の提案商品です。

これに最近は金融庁からの指導もあり、証券会社を中心にラップ(ファンドラップ)・ラップ型投信を積み上げています。

もちろんこのような提案で投資家に利益をもたらせるのであれば問題ありませんが、実際にはそのようになっていないケースが大半です。

そのため顧客からの信頼を得られず、資金が流出し、また新たな顧客を開拓しに行くことになります。

この繰り返しで、稼働している預かり資産が増えないため、一部の顧客から高い手数料を得ようとして、これがまた資金流出の要因となります。

真のフィデューシャリー・デューティーとは

フィデューシャリー・デューティーについてはかなり幅広い解釈をされていますが、端的に言うと「お客さまの真の利益を追求する」ということだと思います。

金融機関において現在のところはかなりアバウトなとらえ方をしており、実質的に変化はありませんが、今後少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

例えば日本の投資信託の残高上位にいくつかランクインしている米国REIT。

これらの投信のコスト販売手数料が金額に応じて0.5%~3%信託報酬1.5%程度です。

これに対して米国リートに投資するETFが存在します。

例えば、iシェアーズの米国リートETFは東証とNYSEアーカの両方に上場されています。

  • 東証上場 → iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(東証:1590)
  • NYSEアーカ上場 → iシェアーズ米国不動産ETF(NYSEアーカ:IYR)

売買コストは通常の国内株・海外株の手数料ですので、0.1%~1.0%程度でしょうか。

共に信託報酬は0.44%です。

明らかにETFの方が低コストです。

これでETFよりパフォーマンスが良ければ問題ありませんが、中長期のパフォーマンス比較でETFを下回っている投信が大半です。

コストが高くてパフォーマンスが悪いのであればおすすめすべきではないでしょう。

東証上場のiシェアーズ米国リート・不動産株ETF(東証:1590)は流動性は低いので、今購入するならNYSEアーカ上場のiシェアーズ米国不動産ETF(NYSEアーカ:IYR)になります。

ただし、これも投信の資金がほんの一部がシフトするだけで、iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(東証:1590)の流動性も高くなると思われます。

相対的なパフォーマンスが悪くても、営業担当者が良いタイミングで提案したことにより、投資家の利益となればコストが高くても良いと個人的には思いますが、今後はこのような商品が少しずつ提案しにくくなることが予想されます。

さらにこれは米国リートだけの問題ではなく、J-REIT・ハイイールド債・海外株式等ほぼ全ての資産クラスに言えることです。

本来あるべき証券業界のビジネスモデル

上記のフィデューシャリ一・デューティーを順守し、高コストの投信から低コストのETFにシフトすると、同じ預かり資産ではビジネスモデルが崩壊します

米国の資産アドバイザリー業務を参考にすると、稼働資産100億円、手数料収入は年間4,000万円が目安になるでしょう。

これでアドバイザーの年収が1,500万円程度になります。

日本の場合は間接費も異常に高いのでそこも修正していく必要があります。

この部分は考えていても始まりませんので、志の高い営業担当者は自分のできることから始めていくべきです。

まずは稼働資産100億円を目指しましょう。

顧客にとって本当に良いと思われる提案をして資産獲得に注力すべきです。

もちろん株券や国債など預かるだけのものでは意味がありません。

あくまで稼働資産です。

最初は変にアセットアロケーションにこだわらず、できることから行えばよいと思います。

最も簡単なのは他社で米国リート・J-REIT・ハイイールド債等の投信を保有している顧客に対し、同じ投資対象のETFを教えてあげるだけでもそれなりに効果が出るはずです。

さらに、マーケット環境を分析して見通しが良いと思われる資産クラスのETFを提案していけば、顧客はこれまでそのような提案は受けたことがないため、信頼が得られ預かり資産も自然と拡大していくでしょう。

そこから個別債券など派生するビジネスも増加していきます。

証券会社以外の銀行に勤める営業担当者の人はETFの提案ができないケースがありますが、その場合はインデックスファンドを活用してください。

インデックスファンドも様々な運用会社が力を入れており、低コストで使い勝手が良いものが増えてきています。

ただし、最終的に既存の証券会社では大きな改革は難しいと思われます。

徐々にIFAが浸透して、彼らが上記のようなビジネスを行い、日本の証券ビジネスを改革することが期待されます。



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