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主要国のインフレターゲット(インフレ目標)の水準と採用時期の一覧

2020年8月4日

こちらのページでは「世界各国のインフレターゲット(インフレ目標)」を一覧で掲載しています。

現在、多くの国でインフレターゲット(インフレ目標)が採用されています。

日本は2013年に主要先進国として最後にインフレターゲット(インフレ目標)を導入しました。

主要先進国のインフレターゲット(インフレ目標)は概ね2%前後となっています。

インフレ率は通貨・財政・景気など様々な分野に大きく影響を与えます。

詳細は下記をご覧ください。

主要国のインフレターゲット(インフレ目標)と導入時期一覧

以前のECBのように、インフレターゲット(インフレ目標)を正式に設定していなくても、実質的にはそれに近い目標を示している国(地域)もあります。

下記の表はできるだけ実質的な基準でのインフレターゲット(インフレ目標)を掲載しています。

先進国のインフレターゲット(インフレ目標)は年によって変化することはほとんどありませんが、新興国の一部の国(インフレ率のボラティリティが大きいブラジル・トルコなど)は頻繁に微調整されます。

下記は『主要国のインフレターゲット(インフレ目標)採用時期と2021年のインフレ目標』の一覧です。

インフレターゲット(インフレ目標)を採用した時期の順番に掲載しています。

主要国のインフレターゲット(インフレ目標)一覧【2024年】

1930年代に物価水準目標を実施したスウェーデンを除くと、実質的にインフレターゲット(インフレ目標)を最初に採用したのは1990年のニュージーランドです。

その後、カナダ・イギリス・スウェーデン・オーストラリアが立て続けに採用しました。

ECBは当初、インフレターゲット(インフレ目標)の採用を明確には表明していまんでしたが、物価の安定的な水準は定義していましたので、ユーロ誕生直前の1998年を導入時期としております。

現在はECBも明確に「インフレターゲット(インフレ目標)」という言葉を使っています。

アジアでは1998年に韓国が最初のインフレターゲット(インフレ目標)採用国となりました。

1997年のアジア通貨危機を経験して、中央銀行の独立性を強化するとともに、物価安定を金融政策の目標として定め、インフレターゲット(インフレ目標)を採用しました。

その後、同じくアジア通貨危機で苦しんだインドネシアやタイも2000年にインフレターゲット(インフレ目標)を採用しています。

米国のインフレターゲット(インフレ目標)採用は2012年です。

当時のFRB議長であったバーナンキ氏は長らくインフレターゲット(インフレ目標)導入を提唱してきましたが、その意向が実現した形となりました。

参照する指数は消費者物価指数(CPI)ではなく、個人消費支出(PCE)価格指数となっています。

日本は主要先進国では最後の採用国として2013年にインフレターゲット(インフレ目標)を採用しました。

第二次安倍政権(アベノミクス)誕生時の目玉政策の1つとして、政権誕生前からアナウンスされていました。

これで主要先進国のインフレターゲット(インフレ目標)は概ね2%で横並びとなりました。

先進国のインフレターゲット(インフレ目標)はどこも2%前後、新興国は毎年変わる国も

先進国のインフレターゲット(インフレ目標)はそれほど変化することはありませんが、新興国のインフレターゲット(インフレ目標)はかなり変動します。

中には毎年のようにインフレターゲット(インフレ目標)が変動する国もあります。

例えば、トルコは2019年9月に公表した計画では、インフレ目標を「2019年:12%」「2020年:8.5%」「2021年:6%」としているように毎年変化することが前提となっています。

これはインフレ率の変動が大きいことが要因と考えられます。

ブラジルも頻繁にインフレターゲット(インフレ目標)を変化させています。

ブラジルのインフレターゲット(インフレ目標)の変化です。

  • 2006年~2016年:4.5%±2% (2.5%~6.5%)
  • 2017年~2018年:4.5%±1.5% (3%~6%)
  • 2019年:4.25%±1.5% (2.75%~5.75%)
  • 2020年:4.0%±1.5% (2.5%~5.5%)
  • 2021年:3.75%±1.5%(2.25%~5.25%)
  • 2023年:3.25%±1.5%(1.75%~4.75%)
  • 2024年:3.0%±1.5%(1.5%~4.5%)

一方、先進国のインフレターゲット(インフレ目標)はどの国も概ね2%前後となっています。

米国も毎年見直すことになっていますが、これまで2%から変化したことはありません。

これまでの経験則から、健全なインフレ率は2%前後といわれています。

どの国のインフレ率も2%前後で推移すれば、為替レートの購買力平価も安定します。

バブル崩壊後の日本はデフレ(低インフレ)が続いたことで、購買力平価が円高方向に大きく進みました。

2013年に日本も2%のインフレターゲット(インフレ目標)を導入したのは購買力平価の円高シフトを止める目的もあります。

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