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インド経済のポテンシャルとリスク要因のまとめ

2017年12月29日

こちらのページではインドの長期的なポテンシャルについて紹介しています。

インドは2020年代に中国を抜いて人口が世界一となる一方、1人当たりGDPは日本の1970年頃の水準です。

名目GDPは2030年頃には日本を抜いて、米国・中国に次ぐ世界第3位となる見通しです。

詳細は下記をご覧ください。

インド経済のポテンシャル

インドの人口は2060年まで増加

2020年時点のインドの人口は約13.8億人で、14.3億人の中国に次いで世界第2位となっています。

ただし、中国の人口増加ペースは急激に低下しており2020年代にはインドが中国を抜いて世界第1位の人口となる見通しです。

さらに、中国は2030年頃から人口が減少する見通しとなっていますが、インドは2060年頃まで人口増加が続く見通しです。

インドの1人当たりGDPは日本の1970年頃の水準

インドの1人当たりGDPは2020年時点で2000ドル未満の水準です。

米国・日本・ドイツ・英国など先進国の1人当たりGDPは3万ドル~6万ドル前後が一般的です。

BRICsとして一緒に取り上げられることの多いブラジル・ロシア・中国の1人当たりGDPは8,000ドル~1万ドル前後で日本の1980年代前半の水準です。

一方、インドの1人当たりGDPの水準は日本の1970年頃の水準です。

これを見てもインドの長期的なポテンシャルが良くわかります。

インドの名目GDP(1人当たりGDP×人口)は大幅に拡大見通し

2020年のインドの名目GDPは2.7兆ドルで世界第7位です。

上記の通り、当面、「人口の増加」と「1人当たりGDPの拡大」が続くことになりますので「1人当たりGDP×人口」で計算される名目GDPも大幅に成長することは一目瞭然です。

1人当たりGDPが先進国並みの水準である4万ドルになると現在の20倍の水準です。

人口は現在の13億人から2050年には17億人まで増加する予想となっていますので、30%の増加ということになります。

「1人当たりGDP×人口」は「20倍×1.3倍」となりインドの名目GDPは26倍になる計算です。

非常に大きなポテンシャルと言えます。

近い将来では、2030年頃に名目GDPが日本を上回り世界第3位となる見通しです。

インドの高い経済成長率は予想以上に長く続く可能性も(人口動態でみると本当に良いのは2022年以降)

IMFのデータによると2017年~2022年のインドの実質GDP成長率は7.8%と中国の6.0%などを上回り世界に見ても高い成長が予想されています。

主要国実質GDP成長率予想

当面、高い経済成長が予想されるインドですが、経済成長において大きな影響を与える「人ロボーナス指数」を確認すると人口動態がインドにとってベストな状況となるのは2022年~2050年頃となっています。

よって、インド経済は足元だけでなく長期間に渡って大きな成長が期待できます。

インド経済の安定性は年々増している

国債の格付けは長期的に格上げが続いており、投資適格級のBBB格となっています。

また、外貨準備高も2000年代以降大幅に増加しており経済の安定性は増しています。

インド経済のリスク要因

インドのリスク要因をまとめて掲載します。

原油によるインフレ率上昇

インドは国内で消費する原油の大部分を輸入に頼っていることと、元々インフレになりやすい体質であることから、原油価格(資源価格)が上昇するとインフレ率が大きく上昇しやすい傾向にあります。

インフレ率が大きく上昇すると経済環境に関係なく利上げなどの金融引き締めを行わなければならなくなり、思わぬ景気悪化を招くケースがあります。

ちなみにインドは2015年にインフレ目標を導入し4%±2%に設定しています。

インフラ整備が予想以上に進まない可能性

インドは道路・鉄道、上下水道、電力をはじめとする生活インフラの整備が大幅に遅れています。

モディ政権はインフラ整備を積極的にすすめており、これが経済成長にもプラスに寄与しています。

しかし、これまでインドのインフラ整備は思うように進まなかった歴史であることから注意が必要です。

インフラが整備されないと経済が効率的にならず、先進国になるための長期的な成長にとって阻害要因となる可能性があります。

財政収支と経常収支の赤字

インドは財政収支と経常収支がともに赤字という、いわゆる「双子の赤字」が長期に渡り継続しています。

財政赤字については、経済成長も著しいことで名目GDPに対する政府債務は横ばいとなっており、直ぐに問題になるレベルではありません。

経常赤字については通貨安やインフレにつながる可能性もあり、注意が必要です。

特に経常赤字の水準が高い時に、原油価格の上昇が重なるとインドルピーは売られやすくなります。

インドルピーは対米ドルで長期に渡り下落トレンドが続いています。



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