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円高リスクをいち早く察知するには米国のISM製造業景況感指数(PMI)をチェックすべき

投稿日:2016年12月30日 更新日:

【参考記事】2016/12/29日経朝刊

<ドル高けん制、意外と早い?「トランプ相場」大揺れも>
から図のみ引用しています

米ドルは日本人のイメージよりも高くなっている

図のドル実効レートは「日経通貨インデックス」を使用しています。

「日経通貨インデックス」は24ヶ国のクロスレートを貿易額の加重平均で算出したインデックスです。

1985年4月2日から算出しています。

数値が大きくなればその通貨が強くなっていることを表します

基本的には日銀が算出している実効為替レートとほぼ同じイメージです。

ドル実効レートはドルの本当の意味での強弱を表します。

ドル円レートだけを見ていてもドルがユーロやポンド、人民元などに対して強くなっているのか弱くなっているのか分かりません。

現在のドル円レート1ドル=117円前後で2007年前半と同じレベルです。

しかし2007年前半のドル実効レートは約105近辺で現在は130を超えて過去最高を更新中です。

って2007年前半と比較すると米ドルは対円では横ばいですが、全体に対しては約30%強くなっていることになります。

これはユーロやポンドがドルに対して下落したことが大きな要因と考えられます。

ここでのポイントは、米ドルは日本人が思っているよりも高くなっているということです。

上記の図の上部にも書かれていますが、これまでドルが高くなると米国製造業(特にグローバル企業)の業績に悪影響を与えることが多くありました。

どの国でも輸出入を行っている限り、自国通貨が強くなると輸出による利益減少により企業業績は悪化してしまいます。

日本も円高になると企業業績は悪化し、株価も下落します。米国もドルが強くなりすぎると同じ事が発生します。

ドル高けん制発言は円高要因

ドル高により米国製造業の景況感が悪化すると、トランプによるドル高けん制発言が出てくることが予想されます。

従来より「大統領就任初日に中国を為替操作国に認定する」と発言しておりますので、中国が標的になることは間違いなさそうですが、日本もそのリスクはあります。

米国財務省は為替操作国に認定する基準を3つ公開しています

表にあるように中国は1つ該当しており、日本は2つ該当しています。

これをみると日本も為替操作国の認定に近いことが見て取れます。

また、日本が為替操作国に認定されなくても、米国企業の景況感悪化により、米国の金融当局者からドル高けん制の発言が出れば円高に振れるリスクは付きまといます。

円高リスクの指標として製造業景況感指数(PMI)に注目

上記に記載した通り、既に米ドルは実効レートで見た場合、かなり高いレベルまで上昇しています

よってこのタイミングで米国製造業の景況感が悪化するとドル高けん制発言が出てくる可能性は極めて高いと言えます。

ドルが高くなっていることは事実であるので、あとは米国製造業の景況感が悪化しないことを祈るのみです。

見方を変えると為替の円高リスクをモニタリングするには現状では製造業景況感指数(PMI)が最も良いということになります

上記の図やチャートにもあるように2015年後半~2016年前半もPMIが50を割れる局面で米ドルが下落し、円高となりました。

この時、ドル円レートは1ドル=123円前後から100円まで円高が進みました。

米国の製造業景況感指数(PMI)はISM(Institute for Supply Management)が毎月第一営業日に公表しており、米国の景気先行指数として注目されています

日本の日銀短観とほぼ同じような指標です。

日銀短観はゼロを分岐点としてプラスマイナス(+-)で表記しますが、ISM製造業景況感指数は0~100%で表記され、50%を超えれば景気拡大、50%を下回ると景気後退を示します。

ISM製造業景況感指数はネットのニュースでも取り上げられますが、分かりにくかったり、確認するのを忘れそうだと思う方はNYダウの動きを最低限確認しておきましょう。

米国株の動きが悪くなるとドル高けん制発言が出やすい環境となります。

<その他、為替レートの予想・分析はこちらを参照してください:為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用

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