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知識・ノウハウ(為替)

円高リスクを察知するには米国のISM製造業景況感指数(PMI)をチェック

2016年12月30日

こちらのページは2016年12月に作成したものですが、今後、どこかで参考になる可能性があると思われる為、忘備録として残しています。

米ドルの実効為替レートが高い水準にある状態で米国経済に陰りが出てきた場合、ドル高けん制発言などで円高になるリスクがあります。

これを察知する為に「ISM製造業景況感指数」を確認するべきという内容です。

意外と使えるケースも多いので覚えておきましょう。

詳細は下記をご覧ください。

米ドルの水準を実効レートで確認

下記の図は2016/12/29日経朝刊「ドル高けん制、意外と早い?トランプ相場大揺れも」から図のみを引用しています。

米ドル実効レートとPMI

図のドル実効レートは「日経通貨インデックス」を使用しています。

「日経通貨インデックス」は24ヶ国のクロスレートを貿易額の加重平均で算出したインデックスです。

ドル実効レートは数値が大きくなればその通貨が強くなっていることを表します。

基本的には日銀が算出している実効為替レートとほぼ同じイメージです。

ドル実効レートはドルの本当の意味での強弱を表します。

ドル円レートだけを見ていてもドルがユーロ・ポンド・人民元などに対して強くなっているのか弱くなっているのか分かりません。

例えば、2016年12月のドル円レートは1ドル=117円前後で2007年前半と同じレベルです。

しかし、ドル実効レートは2007年前半が105前後であるのに対し、2016年12月は130を超えています。

よって、2007年前半と2016年12月を比較すると米ドルは対円では横ばいですが、主要通貨全体に対しては約30%強くなっていることになります。

これはユーロやポンドがドルに対して下落したことが大きな要因と考えられます。

ここでのポイントは、米ドルは一般の人が思っているよりも実質的に高くなっているということです。

米ドルの本当の水準を確認するには実効為替レートを確認する必要があります。

そして、上記の図の上部にも書かれていますが、ドルが高くなると米国製造業(特にグローバル企業)の業績に悪影響を与えることが多くありました。

どの国でも輸出入を行っている限り、自国通貨が強くなると輸出による利益減少により企業業績は悪化してしまいます。

日本も円高になると企業業績は悪化し、株価も下落します。

米国もドルが強くなりすぎると同じ事が発生します。

そのため、米ドルの水準が高い状況で、米国の景況感が悪化してきた時は要注意となります。

ドル高けん制発言は円高要因

2016年の環境を考えると、ドル高により米国製造業の景況感が悪化すると、トランプ大統領によるドル高けん制発言が出てくることが予想されます。

従来より「大統領就任初日に中国を為替操作国に認定する」と発言しておりますので、中国が標的になることは間違いなさそうですが、日本もそのリスクはあります。

米国財務省は為替操作国に認定する基準を3つ公開しています。

為替操作国

表にあるように中国は1つ該当しており、日本は2つ該当しています。

これをみると日本も為替操作国の認定に近いことが見て取れます。

また、日本が為替操作国に認定されなくても、米国企業の景況感悪化により、米国からドル高けん制の発言が出れば円高に振れるリスクは大きくなります。

ドル高牽制の可能性はISM製造業景況感指数(PMI)でチェック

上記で紹介した通り、2016年12月時点で既に米ドルは実効レートで見た場合、かなり高いレベルまで上昇しています。

よって、このタイミングで米国製造業の景況感が悪化するとドル高けん制発言が出てくる可能性は極めて高いと言えます。

ドルが高くなっていることは事実であるので、あとは米国製造業の景況感が悪化しないことを祈るのみです。

見方を変えると為替の円高リスクをモニタリングするには米国製造業の景況感を確認する必要があります。

米国製造業の景況感を確認するには「ISM製造業景況感指数(PMI)」がベストです。

上記の図にもあるように2015年後半~2016年前半も製造業PMIが50を割れる局面で米ドルが下落しました。。

特に対円では1ドル=123円前後から100円まで円高が進みました。

米国のISM製造業景況感指数(PMI)はISM(Institute for Supply Management)が毎月第一営業日に公表しており、米国の景気先行指数として注目されています。

日本の日銀短観とほぼ同じような指標です。

日銀短観はゼロを分岐点としてプラスマイナス(±)で表記しますが、「ISM製造業景況感指数」は0~100で表記され、50が分岐点となり、50を超えれば景気拡大、50を下回ると景気後退を示します。

円高リスクをチェックするという観点では「ISM製造業景況感指数」が45を下回ってきたときは特に要注意です。(45~50の場合は騙しの時もあります)

米ドルの実効レートが高い水準で、「ISM製造業景況感指数」が45を下回ってきたときは円高リスクが高いと認識しておきましょう。



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