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米国議会は50%以上がねじれ/「大統領政党」「上院・下院の多数派政党」の変化

こちらのページでは米国議会の仕組みや特徴について掲載しています。

米国議会は2大政党制や大統領も直接選挙で選ばれるなど日本とは仕組みが大きく異なります。

日本でも議会の「ねじれ」は度々話題になりますが、米国では「ねじれ」が当たり前で、それをどうコントロールするかが大統領の手腕とも言われます。

詳細は下記をご覧ください。

米国議会は「ねじれ」が常識【大統領政党・上院多数派政党・下院多数派政党の変遷】

米国の政治は民主党共和党の2大政党制をとっています。

また、日本と異なり、大統領と議会(上院・下院)はそれぞれ国民の直接選挙で選ばれます。

よって、「上院」と「下院」だけでなく、「大統領」「上院」「下院」の政党がどのような構成になるかが注目されます。

米国では「大統領」が民主党、「上院」「下院」が共に共和党といったケースや、「大統領」「上院」が共和党で「下院」が民主党といったケース(トランプ大統領の2019-2021年)は普通に起こります。

いわゆる「ねじれ」です。

通常、「ねじれ」の状態になると民主党・共和党で意見が対立する法案が通りにくくなり、政治が停滞することで経済にはマイナスと考えられます。

ただし、米国の議会(選挙)の歴史を確認すると「大統領」「上院」「下院」が全て同じ政党になったことの方が少ないことが分かります。

下記に歴代の大統領の所属政党と上院・下院の多数派政党の一覧を掲載します。

大統領・議会(上院・下院)の各政党一覧【米国議会のねじれ】

大統領・議会(上院・下院)の各政党一覧【米国議会のねじれ】

ちなみに米国の大統領選は4年に1度、上院・下院選は2年に1度です。

上院は任期6年で2年毎に1/3が改選されます。(議席数100)

下院は任期2年で2年毎に全員が改選されます。(議席数435)

上記の通り、「ねじれ」はある程度、当たり前の世界です。

「大統領」「上院」「下院」が全て同じ政党になっているケースはそれほど多くありません。

よって、議会が「ねじれ」になったからといって、必ずしも悪いわけではなく、大統領が反対政党を上手くコントロールしながら政治が停滞しないようにできるかがポイントになります。

人によっては政策が偏らないために「ねじれ」の方が良いという意見もあります。

上院・下院でどの法案を審議するかは多数政党が決定することになりますが、大統領は拒否権を発動できます。

この辺を上手く駆け引きして、自身の政策を推進できるかどうかが大統領の腕の見せ所となります。

ちなみに直近5人の大統領(クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデン)が就任した時は「大統領」「上院」「下院」が全て同じ政党でしたが、途中で「ねじれ」となりました。

さらにクリントン、ブッシュ、オバマ、トランプは2期目(8年)を終えた大統領選挙後は「ねじれ」状態がさらに進み、全て反対の政党に替わってしまうといった現象が起きています。

非常に面白い現象だと思います。

大統領2期目は1期目ほど国民に目を向けた政策とならないケースも多い為、不満が増加し、国民が新しい政党に期待したくなるのでしょうか。

日本と違い2大政党で与野党がどんどん入れ替わるというのは緊張感があって非常に良いと思います。

互いに牽制が働く合理的な政治の仕組みは日本人から見ると羨ましく見えます。

民主党と共和党の特徴比較

民主党は「大きな政府」で政府が積極的に国民生活に関与し、貧困層などをケアすべきとしています。

アメリカは富裕層だけでなく万人にとって自由であるべきであり、それを実現する為にある程度政府が介入するというスタンスです。

低所得者も含むすべての国民に健康保険を提供するオバマケアは象徴的な政策でした。

共和党は「小さな政府」でできるかぎり政府が国民生活に入り込まないという考え方です。

経済の自由化にも積極的でウォール街からも人気があります。

個人にも自助努力を促し、自己防衛の為の銃所持にも肯定的です。

支持基盤においては民主党は白人・黒人・ヒスパニック・女性等幅広い層であるのに対し、共和党は白人・富裕層が中心です。

ただし、これらは時代と共に少しずつ変化しています。

米国大統領選挙の仕組み(各州の選挙人ランキング)

大統領に立候補するための要件は下記の3点です。

①35歳以上、②米国で生まれの米国市民、③米国に14年以上居住

大統領の任期は4年で、2期8年まで務めることができます。

選挙は大きく分けると、民主党・共和党それぞれの候補者を1人に絞る「予備選挙」と両党の候補者から大統領を選ぶ「本選挙」があります。

「予備選挙」は1月~7月まで行われ、その結果をうけた「全国党大会」で各党の大統領候補が指名されます。

予備選挙のヤマ場は2月または3月上旬の火曜日に多くの州で予備選挙が開催される、いわゆる「スーパー・チューズデー」です。

「本選挙」は11月の第1月曜日の翌日に行われます。

「本選挙」は選挙人を選んで投票しますが、選挙人はどちらの大統領を支持するのか予め表明していますので、実質的には直接大統領を選んでいることになります。

「本選挙」の特徴として最多得票となった政党が、その州全体の選挙人の人数すべてを獲得するという「勝者独占方式」(総取り方式)を採用しています。

選挙人は全米で538人いるので、その過半数の270人以上を獲得した候補者が大統領となります。

こちらは州ごとの選挙人数のランキングです。(2012年・2016年・2020年大統領選挙時)

大統領選挙 選挙人数ランキング

各州の選挙人の人数は、2012年・2016年・2020年の大統領選は同じ人数となっています。

全米50州に加えて、どの州にも属していない首都ワシントンDC(正式名称:コロンビア特別区)にも3議席割り当てられています。

カリフォルニア州は55人と大票田であり、カリフォルニア州1つで39位ニューハンプシャー州以下13州の合計よりも多くなっています。

大統領の正式な就任は翌年の1月となります。

ちなみに過去の米国大統領選挙の結果の一覧はこちらです。

米国大統領選挙の獲得選挙人数・得票数の一覧(1972年以降)

大統領選挙・獲得選挙人数・得票率

大統領選挙・獲得選挙人数・得票数

※得票率=獲得票数 / 全体の票数

上記の通り、大統領選挙は「勝者独占方式」(総取り方式)を採用しているため、過半数の選挙人数を獲得しても、得票率では過半数を下回るケースがあります。(2000年・2016年)

また、近年は以前と比べて米国大統領選挙は接戦となる傾向が高まっています。

米国上院・下院選挙の仕組み

上院選挙の仕組み

上院は米国50州から2名が選出され、議員数は100名です。

任期は6年間で2年ごとに3分の1ずつ改選されます。

下院選挙の仕組み

下院の議員数435名で、人口に応じて各州に割り当てられます。

任期は2年で2年ごとに全員が改選されます。



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