こちらのページは「アジア好利回りリート・ファンド」を例にアジアリートのポイントやリスクを掲載しています。
大部分はアジアリート全般に共通する内容ですので、アジアリートの見通しを分析する上で活用いただけます。
アジアリートのポイントをまとめると下記の通りです。
- 世界のリートの中でもアジアリートは高利回り
- アジアの長期的な成長を享受(2050年にはアジアが世界のGDPの50%以上を占める見通し)
- 全体的に中国景気の影響を受けやすい
データや内容は随時、更新しています。
まず最初にアジア好利回りリート・ファンドの商品概要から紹介します。
アジア好利回りリート・ファンドの商品概要
実質的な運用会社
- 三井住友アセットマネジメント(委託会社:三井住友アセットマネジメント)
投資対象
- 日本を除くアジア各国のリート(オセアニア含む)
- 最新のポートフォリオ利回りは月次レポートを参照:三井住友アセットマネジメント/アジア好利回りリート・ファンド
商品組成上の特徴
- 毎月分配型に加え、分配金を出さない年1回決算型もあり
主な販売会社(販売手数料)
- SMBC日興証券:1億円未満3.3%、5億円未満1.65%、10億口未満0.825%、10億口以上0.55%
- ジャパンネット銀行:5000万円未満1.1%、5000万円以上0.55%
- SBI証券:500万円未満1.1%、500万円以上0.55%(IFA5000万円未満 3.3%、5000万円以上1億円未満2.2%、1億円以上1.1%)
信託報酬
- 1.833%
アジアリートに投資する上でのポイント・メリット
投資対象国
- オーストラリア
- シンガポール
- 香港
- マレーシア
- ニュージーランド
- タイ
(アジア好利回りリート・ファンドは現在、オーストラリア・シンガポール・香港が中心のポートフォリオ構成となっている)
アジアリートの高い配当利回り(S&P REIT指数の国別指数)
- シンガポール:4.7%
- オーストラリア:3.8%
- 香港:4.3%
- 米国:3.8%
- 日本:4.0%
(出所:データは2020/12末基準)
世界に占めるアジアのGDPシェア
- 2010年27%→2050年51%(アジア開銀予想)
アジアの成長の恩恵を享受
- 高い経済成長を背景に、商業施設やオフィス、物流施設等の需要が急速に高まってきており、力強い成長と賃料上昇等による値上がりが期待できる。
- 個人消費の拡大→商業施設の需要が増加
- 都市化の進展→オフィスや住居の需要が増加
- 世界貿易の中心に→物流施設の需要が増加
オーストラリアREITについて
- 商業・小売はインバウンド需要による成長が期待できる
- M&Aや自社株買いの動きが見られる
- オーストラリアREITはショッピングセンターなどの商業施設が全体の約50%を占めている。ショッピングセンターは大手のREITにより寡占化しており、空室率は低水準で推移している。
- 安定的な人口増加と堅調な経済状況を背景にした消費拡大の影響を受けやすい。テナントからの賃料も小売売上高の拡大と共に上昇しており、今後も賃料収入の増加とそれに伴うREITの配当金の成長が予想される。
シンガポールREITについて
- 利回りが高く割安感がある
香港リートについて
- 商業施設(小売り)の割合が80%以上となっている
増加が続くアジアリート(リート市場が創設された年)
- オーストラリア:1971年
- マレーシア:1986年
- タイ:1997年
- シンガポール:1999年
- 日本:2000年
- 韓国:2001年
- 台湾:2003年
- 香港:2003年
- ニュージーランド:2007年
- インド:2014年
- ベトナム:2017年
- フィリピン:2020年
- 中国:2021年
- インドネシアもリート市場創設を検討中
- 世界の主要国のリート制度の導入時期はこちらを参照:新光US-REITオープン(ゼウス)/米国リートの投資環境・最新の見通し
個別リートの例
キャピタランド・インテグレーテッド・コマーシャル・トラスト(シンガポール)
- シンガポール初のREITであるキャピタランド・モール・トラスト(2004年5月上場)とオフィス・商業に特化したキャピタランド・コマーシャル・トラストが合併して誕生したREIT
- シンガポール市場では最大級の時価総額を誇る
- 保有不動産の多くが、シンガポールの中心エリアや主要な駅に隣接しており、利便性と優良な設備の双方を備えている。
リンク・リート(香港)
- 香港最大規模の商業施設特化型リート。
- 政府により設立された香港住宅公団が管理・運営していたショッピングセンターや駐車場等を取得して事業を開始し、香港で最初に上場したリート。
- 物件の回収やテナントの入れ替え等で集客力を向上させ上場以来、増収増益を続けている。
ストックランド(オーストラリア)
- オフィス、商業施設、産業施設、住宅、ホテルと広範囲に物件を保有する総合リート。
- 現在の投資対象のほとんどがオーストラリア国内の物件で、郊外型の大規模な宅地開発を得意としている
アジアリートのリスク・デメリット
高い分配金
- 毎月分配型は分配金利回りがポートフォリオの信託報酬控除後配当利回りを大幅に上回り、タコ配割合が高い。
(ただし、運用しながら年金感覚で受け取りたい顧客のニーズには適している)
オーストラリアREITのリスク
- 大型オフィス供給の影響で需給悪化懸念
- 商品市況の低迷
- 中国の景気悪化
シンガポールREITのリスク
- 大型オフィス供給の影響で需給悪化懸念
- 中国の景気悪化
香港REITのリスク
- 消費の低迷
- 中国の景気悪化
- 米国の利上げ
投資対象が同じ投信(類似ファンド)
- 国際アジア・リート・ファンド(通貨選択型)(三菱UFJ国際投信)
- アジアリートファンド(毎月分配型)(日興アセット)
関連ページ
豪州リートの長期推移(チャート・変動要因)はこちらを参照してください!