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中国の金利、人民元建て債券、点心債、人民元についての概要とポイント

投稿日:2016年12月8日 更新日:

中国の金利

中国の政策金利

中国の政策金利は他国とはかなり異なっており、「1年物の貸出基準金利」となっています。

米国のFF金利、日本の無担保コール翌日物など、一般的には翌日物など超短期のインターバンク(銀行間)金利を採用しており、中国の、「1年物の貸出基準金利」は非常にレアなケースです。

よってベース金利の比較をする際に中国に関しては政策金利を使っても意味がありません。

他国の政策金利と比較する場合、中国はSHIBOR(シャイボー)1日物を使うと参考になります。

2016年11月30日現在、政策金利である「1年物の貸出基準金利」は4.35%、銀行間金利のSHIBOR翌日物は2.30%です。

中国の預金金利、貸出金利

銀行の預金金利と貸出金利は規制されていましたが、順次自由化が進められました。

  • 2004年10月:貸出の上限金利、預金の下限金利を撤廃
  • 2013年7月:貸出の下限金利を撤廃
  • 2015年10月:預金の上限金利が撤廃

2015年10月の時点で制度上は預金・貸出しともに金利が完全自由化となりました。

日本も戦後から高度成長期にかけて、金利が規制されており、完全自由化されたのは預金金利(普通預金・定期預金等)の規制が完全撤廃された1994年でした。

人民元建て債券の種類

人民元建て債券は、発行市場中国本土か国外(オフショア)発行体居住者か非居住者かにより下記の3種類(本土の一般債パンダ債オフショア人民元建て債券)に分類されます。

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本土の一般債

従来から存在する中国本土の一般的な債券市場です。

発行体は中国政府関連や中国企業のみとなっています。

投資家も原則、居住者のみですが、QFII (Qualified Foreign Institutional Investors、適格海外機関投資家)またはRQFII (Renminbi Qualified Foreign Institutional Investors)の投資枠を保有していれば非居住者でも投資が可能となっています。

ちなみにQFIIとRQFIIの違いは、QFIIは海外から外貨を持ち込んで人民元に両替し株式や債券を購入するのに対し、RQFIIは海外(オフショア)で保有する人民元をそのまま持ち込んで投資する点が異なります。

QFIIは2002年から、RQFIIは2011年からスタートした制度です。

パンダ債(熊猫債)

従来は非居住者(外国企業等)が中国本土で債券を発行することは認められていませんでしたが、2005年から国際機関等に認められ、2014年からは一般の事業会社にも解禁されました。

ダイムラーが事業会社第1弾として2014年にパンダ債を発行しました。

日本で例えると海外企業が円建てで債券を発行するパターンになりますので、サムライ債(円建て外債)と同じようなイメージです。

オフショア人民元建て債券

中国本土以外で人民元建て債券を発行するオフショア人民元建て債券市場は2007年からスタートし、第1号案件は中国国家開発銀行が香港で発行しました。

民間企業としては2010年のマクドナルドが第1号案件でこちらも香港で発行しました。

この年にはキャタピラーもオフショア人民元建て債券を発行しています。

ちなみに香港市場で発行される人民元建て債券を点心債と呼んでいます。

2015年には三菱東京UFJ銀行が日本国内で初めて人民元建て債券を発行しました。

日本国内で発行される人民元建て債券の愛称はいろいろ候補があるようですが

2016年12月現在では浸透しているものはありません。(候補はフジヤマ債やラーメン債のようです)

オフショアで発行した人民元建て債券で調達した人民元を中国国内に持ち込むには、事前に中国当局の許認可が必要となっています。

中国国内に持ち込む前提で債券を発行する際は、事前に持ち込みの許可を受けたうえで発行を行うケースが多いようです。

人民元の推移と国際化

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ドル/人民元レートは2005年7月から変動相場制に移行しました。

ただし本当の意味での変動相場制ではなく、中国人民銀行の管理下での「管理フロート制」という特殊な形態となっています。

米ドルだけを参照するのではなく複数通貨からなる通貨バスケットを参考にする管理フロート制となっています。

2017年1月1日より通貨バスケットの構成通貨を13から24に拡大することになりました。

韓国ウォン、サウジアラビアリアル、スウェーデンクローナ、南アフリカランドなどが新たに加わり、米ドルの比率は26.4%から22.4%に低下することになりました。

これは人民元が米ドルに対し下げ幅を拡大していることに対応した形になります。

これによりドル高が続いた場合の影響を一部軽減できることになります。

人民元は2005年7月から2008年9月のリーマンショック前後までは年率5%程度のペースでドルに対して切り上がっていきました。

2008年8月~2010年6月までは世界的な不況を切り抜けるため、切り上げはストップされ、1ドル6.82元で固定されました。

2010年6月以降は再び変動相場となり、2014年1月には1ドル6.05元まで上昇しました。

その後下落に転じています。

中国当局は人民元を国際通貨として発展させたいとの意向をもっており、中長期的に様々な施策を実行しています。

その一部が上記に記載した、オフショア人民元建て債券の解禁や変動相場制への移行です。

その結果、世界中で人民元による決済が拡大しており、2016年10月には国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)の構成通貨として採用されました。

これによりSDRの構成通貨は米ドル、ユーロ、ポンド、円、人民元の5通貨となりました。これは人民元の国際化を象徴する大きな出来事となりました。

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