こちらのページでは「PTS(私設取引システム)」の概要について分かりやすく解説しています。
PTSの最大のメリットは「時間外取引」ですが、これに対応しているのは「ジャパンネクストPTS(JNX)」に接続している「SBI証券」「楽天証券」「松井証券」の3社です。
詳細は下記をご覧ください。
最初に「PTS」のポイントを簡潔にまとめました
- PTSとは証券取引所を経由せずに株式の売買を行える私設取引システム
- 最大のメリットは「時間外取引」
- 日本で運営されているPTSシステムは2つ
- PTSに接続している証券会社は5社(うち時間外取引ができるのは3社)
- 信用取引も可能となった
- 流動性の低さが唯一のマイナスポイントだが今後改善の見通し
詳細は下記をご覧ください。
PTS(私設取引システム)とは
PTSとは証券取引所を経由せずに株式の売買を行えるシステムのことです。
PTS(ピーティーエス)は「Proprietary Trading System」の略で日本語では「私設取引システム」と呼ばれます。
1998年の証取法改正により市場集中義務が撤廃されたことで運営が可能となり、2006年頃から普及はじめました。
ただし、「kabu.comPTS」「ダイワPTS」「マネックスナイター」「松井証券即時決済取引」などは取扱高が想定より伸びなかったことで撤退しています。
2024年時点で運営されているPTSは下記の2つのみです。
- CboePTS(Chi-X)
- ジャパンネクストPTS(JNX)
ちなみに、ジャパンネクストPTSはSBIのグループ企業です。
そしてこれらのPTSに接続している証券会社は下記の通りです。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
- マネックス証券(夜間取引等は未対応でSOR注文のみ対応)
auカブコム証券(夜間取引等は未対応でSOR注文のみ対応)
マネックス証券とauカブコム証券は「SOR」の為のPTS取引であり、投資家が直接、PTSに注文を発注することはできません。(SORについては下段を参照)
よって、時間外取引でPTSを利用したい場合は、「SBI証券」「楽天証券」「松井証券」で口座を作成する必要があります。(詳細は下記を参照)
PTSの最大のメリットは時間外取引(大手ネット証券のPTS取引時間一覧)
PTSのメリットは大きく下記の2つです。
- 夜間など東証の取引時間外でも取引が可能
- 東証の取引時間中にPTSの方が有利な価格で売買できる場合はPTSで執行(SOR注文)
その中でもPTSの最大のメリットは夜間など東証の時間外でも株式の売買ができることです。
CboePTS(Chi-X)とジャパンネクストPTS(JNX)の取引可能時間は下記の通りです。
昼間(デイタイム・セッション)と夜間(ナイトタイム・セッション)の2つの時間帯があります。
夜間に対応しているのはジャパンネクストPTS(JNX)のみです。
ジャパンネクストPTS(JNX)に接続している証券会社はSBI証券・楽天証券・松井証券の3社です。
よって、SBI証券・楽天証券・松井証券の3社のみ夜間取引が可能となります。
ちなみにPTSによる信用取引の取引時間は「9:00~11:30、12:30~15:30」で東証の取引時間と同一となっていますので注意してください。
PTSの信用取引では夜間取引はできません。
SBI証券・楽天証券・松井証券のPTS取引時間は各社ごとに若干異なりますが、これはそれほど大きな違いはありませんので、特に問題になることはありません。
各証券会社のPTSの取引時間はこちらです。
東証の取引時間外は下記の3つに分類できます。
- 東証のオープン前(8時台)
- 東証の昼休み(11:30〜12:30)
- 東証の引け後(15:30以降~夜間)
上記一覧表の通り、どの証券会社でも多くの時間で取引が可能です。
そのため、PTSでは東証の引け後に行われる決算発表などを確認して売買することが可能となります。
また、欧米の株式市場がオープンしている時間や、NY市場がクローズした後、東証がオープンする前にも取引が可能となります。
これだけ投資できれば十分です。
真夜中は寝ましょう。
- 世界各国の株式市場や為替市場の取引時間はこちらを参照してください:世界の金融市場(株式市場・為替市場)の取引時間まとめ
PTSで一点だけ注意が必要なのは、「権利付最終売買日のナイトタイム・セッションは権利落ち後となる」点です。
ここで購入しても配当の権利はありません。
よって、配当権利前後の取引は注意が必要です。
ちなみに昼間(デイタイム・セッション)しか取引できない『CboePTS(Chi-X)』や『ジャパンネクストPTS(JNX)の昼間取引(デイタイム・セッション)』のメリットは下記の2点です。
- 取引所より取引時間が拡大(朝8時台・昼休み・15:30以降も取引が可能)
- 取引所がオープンしている時間は取引所とPTSの最良価格で注文を執行(いわゆるSOR:Smart-Order Routing)
当たり前ですが、取引所で購入した株式をPTSで売却することは可能で、その反対の取引も可能です。
2020年頃から信用取引も解禁され、今後、PTSの取扱高は拡大していく見通しです。
PTSに特段のデメリットはないが流動性は今後の改善を期待
現在のPTSでは取引したいが売買が成立しない銘柄や、現在の価格から大きく離れた価格でしか売買ができない銘柄も多くあります。
いわゆる「流動性リスク」です。
これは今後、PTSの取扱高が拡大していくことで徐々に解消されていくと思われます。
PTSはメリットはあれどデメリットは特にありませんので、どうせやるならPTSに対応している証券会社に口座を持つ方が良いでしょう。
その中で「ジャパンネクストPTS」の親会社でもある「SBI証券」を活用するのは安心感があります。
また、PTSと同様に夜間など市場が空いてない時に投資をしたい場合はCFDの活用も有効です。
必要以上に高いレバレッジなど、使い方を誤らなければ、CFDも非常に良い投資手段となります。
- CFDについての詳しい内容はこちらをご覧ください:CFDを分かりやすく説明