こちらのページでは「2050年までの主要国の人口推計」と「2050年までの人口ランキング上位20ヶ国の変遷」を掲載しています。
様々なマクロ経済データの中でも「各国の人口予測データ」はそれぞれの国の景気を予想する上で非常に重要です。
経済規模は名目GDPで表され、名目GDPは「1人当たりGDP」×「人口」で表されます。
経済の発展は「生産性(1人当たりGDP)」の向上と「人口」の増加で決まります。
下記では世界各国の人口推計データだけでなく、ポイントも掲載していますので参考にしてください。(ポイントは箇条書きで記載しています)
ちなみにインドやナイジェリアの躍進が著しい一方で、日本の人口減少スピードは少し心配になります。
人口推計は予測値ですが、GDP成長率など一般的なデータと異なり、大きく外れることがないデータですので有効活用してください。
まずは、「全世界・先進国・新興国・主要国の人口推計」からどうぞ。
主要国の人口推計(2010年・2020年・2030年・2040年・2050年)
- 単位:百万人
- 出所:国連(国際連合広報センター)
- 2030年・2040年・2050年は国連予測データ
ポイントを箇条書きで解説します。
- 2050年には世界の人口が約100億人まで拡大
- 2010年から2050年までの40年間で人口は30億人増加するが、増加分はほぼ全てが新興国によるもの(先進国は40年で約0.5億人の増加にとどまる)
- 2050年には人口の87%程度が新興国となる見通し
- 先進国では移民政策を活用している米国の人口増加が大きく、英国も安定的に増加している。(移民の数と人口に対する移民の比率はこちらを参照:国別の移民数ランキングと移民比率
- 先進国の中で米国経済が相対的に堅調な理由としてこの持続的な人口増加が大きなポイントとなっている
- オーストラリアは人口自体は多くはないが、移民政策を活用して安定的に増加している。これが2020年まで30年近くリセッションを経験せずに経済成長を続けている要因の一つと言える。(米国と同様の効果)
- 日本は2011年から人口減少に転じており、2050年には1億人を下回る見通し
- 移民を除く日本人のみの自然増減(出生数-死亡数)では2005年に初めてマイナスとなり2007年以降は恒常的にマイナスとなっている。日本の出生数・死亡数・自然増減の推移はこちらを参照:日本の出生数・死亡数・自然増減の推移 / 日本は人口維持をあきらめた?
- ドイツも2020年以降、人口減少が始まる。ただし、日本ほど人口減少のスピードは速くない。
- ドイツと比較すると日本の人口減少スピードがいかに速いかがよく分かる
- 先進国全体では2010年から2050年までの40年でほぼ人口は増加しない見通しとなっている。2040年と2050年の比較では先進国の人口が減少する見通しとなっている。
- 新興国では中国が2030年頃から人口減少がはじまる一方で、インドは2060年頃まで人口増加を続ける。
- 2027年頃にはインドが中国を抜いて人口世界一となる見通し
- 中国は長く続いた1人っ子政策が、2016年1月から2人っ子政策に変更されたことで、急速な人口減少見通しが今後どのように変化していくか注目される
- その他、ブラジル、インドネシア、メキシコ、南アフリカなどの新興国は当面人口が増加し続ける見通しとなっている。
- 中国以外の新興国ではロシアが1990年代後半から緩やかな人口減少が続いており、当面、人口減少が継続する見通し。
次に、世界の人口ランキング上位20ヶ国のデータです。(2015年・2030年・2050年)
人口ランキング上位20ヶ国の推移(2015年・2030年・2050年)
- 単位:百万人、出所:国連
- 2030年・2050年は国連予測データ
ポイントを箇条書きで解説します。
- インドは2025年~2030年頃に中国を追い抜き世界1位となる見通し
- ナイジェリアが2030年に5位、2050年には米国を抜きインド・中国についで世界第3位の人口となる。2015年~2030年の15年間で約8,000万人、2030年~2050年の20年間で約1.3億人の人口増加となる。(ナイジェリアについての詳しい内容はこちらを参照:ナイジェリアの高い成長ポテンシャル/ETFか投信を設定してほしい)
- タンザニアが2030年に19位、2050年には1億人を大きく超え14位上昇。2030年~2050年の20年間で人口が1.65倍となる見通し。
- ウガンダも2050年には1億人を上回り17位に登場
- このように2030年〜2050年にかけてアフリカが大きく躍進する
- 欧州で最も人口が多いドイツは2030年で20位、2050年には20位圏外となるため2050年の時点で上位20か国に欧州の国はなくなる
- 日本は大きく人口が減少し2050年には人口が1億人を下回るが、それでも18位にランクインしている
- 今後、人口の観点からみるとアジアとアフリカが世界の大部分を占めることになる
- 特にアフリカの国々は当面、高い人口増加率を維持すると考えられ、人口面のポテンシャルは非常に高い。同様に生産性も上昇する余地が大きいことから長期的な経済成長が期待されている。世界各国の1人当たりGDPの水準についてはこちらを参照:1人当たりGDPランキングの推移(1990年・2000年・2010年・直近) / 日本の地位は低下傾向
- 2030年頃まではアジアの国々、その後はアフリカの国々が世界の経済成長のドライバーとなる見通し
人口の関連ページ
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