こちらのページでは個別株投資の魅力と難しさについて解説しています。
あまりにも時価総額が小さい銘柄はリスクがあるので、日本株の場合、時価総額が数百億~1000億円程度の時に投資を行い、数千億円~3兆円位で売却することを目指すのが理想と言えます。
一方、大型の優良株だからと言って長期保有しても安心という事はありません。
以前の電力株を思い出せば分かります。また、NYダウ30構成銘柄だった銘柄でも破綻しています。
詳細は下記をご覧ください。
個別株式への投資は夢がある(特に小型株は大きく上昇する可能性)
個別株式を長期で保有した場合の一番の醍醐味は、投資先企業が大きく成長し株価が10倍、100倍となることです。
例を挙げるとソフトバンク・ファーストリテイリング・キーエンスのような会社です。
投資対象としてあまりにも時価総額が小さい会社は夢もありますがリスクも高くなります。
時価総額が数百億円あれば、会社の安定性も安定性もでてきます。
一般的には時価総額が数百億~1000億円程度の時に投資を行い、数千億円~3兆円位で売却することを目指すのが理想と言えそうです。
もちろん3兆円を超えて保有しても悪いわけではありませんが、そこから数倍になるには余程のパワーがないと難しいので、ある程度バリュエーションが高くなる局面では売却した方が良いと思います。
その資金でまたグロース株を探す方が面白いのではないでしょうか?
成長していく株式というのは当初はグロース銘柄として配当がなく、成長率が低下するに連れて配当を行うようになっていきます。
ちなみに米国株の場合は時価総額が10兆円を超えていくことはそれ程まれなことではありません。
よって、日本株の場合は3兆円程度で売却をお勧めしますが、米国株の場合は時価総額3兆円程度からエントリーしても全く問題ありません。
感覚的にはエントリータイミングもイグジットタイミングも日本株より1ケタ大きい(10倍)と考えておけば良いでしょう。
個別株式の長期投資で失敗するケース(優良銘柄こそ注意が必要)
震災前の電力株は配当利回りも相対的に高く、資産株として保有している人が多くいました。
通常の株取引はリスクが高いから行わないが、電力株は別という方も多くいらっしゃいました。
しかし、震災による原発の停止、損害賠償という想定外の出来事がおこり株価は大きく下落しました。
想定外の出来事は予想できないから想定外であって備えることは非常に困難です。
だからといって時価総額の大きい企業に投資しておけば安心かというと、それも一概には言えません。
例えばそれがトヨタであってもです。
ご存知の方も多いと思いますが、トヨタは長年、株式時価総額で日本のトップに君臨している優良銘柄です。
自動車業界の中でもトップクラスの技術力と財務力を有していますので、普通に考えれば大きく株主価値が毀損することは考えにくい状況です。
しかし、デジカメがスマホの登場で存在価値を亡くしたように、技術革新が産業構造自体を変えてしまう可能性もあります。
例えば電気自動車のテスラモタースが普及版のモデル3を発表すると1週間で30万台以上の受注がありました。
今後、テスラが生産能力を増強していけば、かなり早い段階で年間生産台数が数百万台になる可能性は高いと思われます。
将来的に電気自動車がスタンダードになると、内燃機関のエンジンが必要なくなるので自動車メーカーの地位が微妙になってきます。
極論するとトヨタが単なる組立メーカーになる可能性もあります。
そうすると今のような利益をあげることは不可能ですし、そもそもトヨタが組み立てる必要もなくなるかもしれません。
このようにどんなに優良な銘柄でも技術革新というリスクがあることは忘れてはいけません。
これは日本株に限らず、米国株など他国の株式でも同様です。
よって、優良銘柄であるからといってやみくもに個別銘柄を保有することは、投資の観点からあまりお勧めできません。
ある程度の分散とある程度の入替がないと利益を上げることは難しいと思います。
NYダウ30採用銘柄でも破綻する
米国市場を代表する企業で構成されているニューヨークダウ30種。
ニューヨークダウ30種はその時々の旬な銘柄を採用している指数ですが、1896年の指数算出開始から現在まで構成銘柄として採用されているのはGEのみです。(追加:GEも2018年6月にNYダウ30種から外れました)
30銘柄になった1928年からでもGEとエクソンモービルの2社のみです。(追加:エクソンモービルも2020年8月にNYダウ30種から外れました)
2000年以降でもマイクロソフト、インテル、ベライソン、アップル、シスコシステムズなど新しい企業が採用されています。
- NYダウ30の構成銘柄の変遷については「NYダウ30種 構成銘柄の変化」を参照してください
また、1999年にNYダウ30の構成銘柄として採用されていた中で、GMとイーストマンコダックはその後、それぞれ2009年と2012年に破綻しています。
NYダウ30に採用される銘柄でも時代の変化についていけずに破綻する可能性があるということです。
このように投資すべき企業というのは時代と共に変化していくものですので、株式の長期投資を行う際は、銘柄を適宜変更するアクティブ型の投信や、ニューヨークダウ30のような時代の流れに合わせて銘柄変更する指数に連動する投信・ETFがおすすめです。
個別株式に投資する場合は投信・ETFのサテライト投資として行うのが良いでしょう。
様々なアセットクラスの投資のポイントやリスク要因についてはこちらを参照してください!