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金銀比価(金/銀)の推移 / 金銀比価はマーケットリスクの先行指標?

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金銀比価(金/銀)は何を意味するのか

  • 金銀比価=金価格/銀価格

金銀比価(金/銀)の高まりはマーケットのリスク上昇を示唆しているという説があります。

金は投資用と宝飾品の需要が全体の約80%を占め、工業用は10%以下です。

一方、銀は需要の約60%が工業用が占めています。

マーケットリスクが高まるとリスクヘッジで金が買われ、同時に経済活動が停滞することから銀の需要が減退し、金銀比価(金/銀)が上昇するという理論です。

これが経験則上成り立つのか検証してみたいと思います。

金価格・銀価格・金銀比価(金/銀)の長期推移から分析

金銀比価チャート

金価格と銀価格は需要構造が異なるため、値動きが全く異なるかというと意外とそうではなく大きな流れは一致しています。

金価格が大きく上昇した1980年と2011年は銀価格も同様に上昇している為、金銀比価(金/銀)はそれ程高まっていません。

これまで金銀比価(金/銀)が最も高まったのは1991年です。

1991年2月には金銀比価(金/銀)が100を超えました。

世の中ではこれを湾岸戦争が勃発したことによる地政学リスクの高まりが要因と言われることが多いですが、実際は上記チャートを見ても分かるように金価格は上昇していません。

銀価格が下落したことが金銀比価(金/銀)の上昇要因です。

1991年は世界的に景気が悪化しており、実質GDP成長率でみると米国が-0.1%、英国が-1.2%、オーストラリアが-1.1%とマイナス成長でした。

全世界ベースでも+2.5%と低い成長率です。

ちなにみオーストラリアは1991年以降は1度もリセッションに陥っていません。

このように1991年の金銀比価(金/銀)の上昇は湾岸戦争によるものではなく、グローバルな景気後退の結果によるものであることが分かります。

2008年11月にも金銀比価(金/銀)が80前後まで上昇していますが、この時も金が上昇したというよりも銀が下落したことが要因です。

これらから金銀比価(金/銀)の上昇は必ずしもマーケットリスクが高まっていることを示唆している訳ではなく、景気悪化による銀価格下落の結果であると言えそうです。

銀価格の下落は景気悪化に先行せず、一致するか若干遅行します。

金銀比価はITバブル崩壊やリーマンショックの際もマーケットリスクの高まりに対して先行指標とはなりませんでした。



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