こちらのページではAI(人工知能)を活用した投資について紹介しています。
AI投資には2つのパターンがあります。
- AIがファンドマネージャーの代わりを行う(AIが投資対象を決定して運用する投資信託)
- AIが資産運用アドバイザーの代わりを行う(AIが最適なポートフォリオを提供するサービス)
下記では具体的な商品やサービスも紹介しておりますで参考にしてください。
AI(人工知能)による運用は2パターン
まず、こちらで取り上げる「AI投資・AI運用」はAI(人工知能)に関連する企業に投資するという意味ではなく、AI(人工知能)の力を活用して運用することを意味します。
AIによる運用は以前から一部で行われてきましたが、近年、人工知能に関する技術の進化により急速に広まろうとしています。
AI(人工知能)による運用と言った場合、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つめは人工知能を搭載したロボットがマーケットデータや企業の決算データを取得し、自ら分析をしたうえで投資対象を選択するパターンです。
イメージとしては「ファンドマネージャーの代わりをAIロボットが行う」というものです。
2つ目は顧客が入力したデータをもとに、顧客ごとのリスク許容度を計算し、最適なポートフォリオを提供するパターンです。
イメージとしては「資産運用アドバイザーの代わりをAIロボットが行う」というものになります。
投資は人間が行っても難しく、理論を当てはめれば儲かるというものではありません。
以前、ノーベル経済学賞受賞者2名を筆頭に金融界のエリートを集めたLTCMというヘッジファンドが破綻して大問題になりました。(詳細は「ヘッジファンドについて」を参照してください)
それでも今後、人間より正確で処理能力も高い人工知能ロボットであれば上手く運用できるかもしれません
いずれにしても今後のパフォーマンスが楽しみです。
下記には「AIが投資対象を決定して運用する投資信託」の商品例と「最適なポートフォリオを提供するサービス」の例を掲載しておきます。
AIが投資対象を決定して運用する投資信託(AIがファンドマネージャーの代わり)
PayPay投信AIプラス(旧Yjamプラス)
- 設定日:2016/12/20
- 2021年2月10日にファンド名変更
- 原則日本株に投資、日本株に魅力がなくなった場合、為替ヘッジ付きで外国株にも投資
- 実質的な運用は、金融市場の研究者・人工知能の研究者・アルゴリズムの実装技術者・金融の実務家で起業された投資助言会社である株式会社Magne-Max Capital Management(ヤフーが70%出資)が行う⇒2023年1月、PayPayアセットマネジメントに事業譲渡され同社内で同様の運用をおこなっている
- Yahooのビックデータを活用して運用する
- 委託会社はPayPayアセットマネジメント株式会社(旧アストマックス)
- 信託報酬:0.9936%
AI日本株式オープン(絶対収益追求型)【愛称:日本AI】
- 設定日:2017/2/1
- 運用モデル(Al)の開発は三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)が行う
- 現物株の買いに先物の売りを組み合わせた運用を行い絶対収益の獲得を目指すファンド
- 信託報酬:1.296%
GSグローバル・ビッグデータ投資戦略(為替ヘッジあり・なし)【愛称:AIブレイン】
- 設定日:2017/2/24(投資対象ファンドは2004/10から運用)
- 日本を含むグローバル株式に投資
- ベンチマークではないがMSCIワールドが参考指数
- 為替ヘッジありと為替ヘッジなしの2コース
- ゴールドマン・サックス・アセットが運用、GSAMおの定量運用チームが2004年10月に運用開始
- 2008年からAIとビッグデータを導入し改良を重ねた結果、2012年ごろからパフォーマンスが大幅に向上している
- 信託報酬:1.323%
日本株ロボット運用投信【愛称:カブロボファンド】
- 設定日:2009/7/29(長期のトラックレコード)
- 運用残高が伸び悩む中、2019年3月に償還
- 複数のカブロボによる日本株運用
- カブロボコンテストにより運用を行うロボットを選定する
- カブロボコンテスト等のマネジメントは投資顧問会社トレード・サイエンス株式会社(マネックスグループ子会社)が行う
- 委託会社はT&Dアセット。
- ロボットによってはマーケット環境により、キャッシュポジションを増やすものも多く、一般の日本株投資よりキャッシュポジションが多くなる傾向
- ダウンサイドリスクを抑えて安定的に運用していく商品であるため、日本株下落時はTOPIX対比で下落率が低く、日本株上昇時はアンダーパフオームする傾向にある
AI(人工知能)活用型世界株ファンド【愛称:ディープAI】
- 設定日:2017/9/29
- アセットマネジメントOneが独自に開発したディープラーニングモデルを用いて銘柄を選択し、ファンドマネージャーの判断を融合させポートフォリオを構築
- 日本を除く世界の株式に投資を行う(ロングオンリー、為替ヘッジなし)
- 信託報酬:1.5552%
AIが最適なポートフォリオを提供するサービス(AIが資産運用アドバイザーの代わり)
アロケーション(ポートフォリオ)を提供してくれるAIロボは今後も注目
いくつかの質問に答えると、AIロボによりリスク許容度や運用方針が自動的に判定され、それぞれの人にあったポートフォリオを提供してくれるサービスです。
提供されたポートフォリオのアロケーションに従い、低コストのETFやインデックスファンドに投資することになります。
よって、AIを駆使して売買するという感じではなく、最適ポートフォリオの提供ですので、各社のサービスで極端な差は出にくいと思われます。
結局、儲かる為には世界の株式市場が上昇するか円安になる必要があるので、投資するタイミングも重要となります。
- 長期分散投資のエントリーポイントについてはこちらを参照:長期分散投資の具体的手法を検討する」
イメージとしては、ファンドラップ・ラップ型投信・バランスファンドの低コスト版と考えておけば良いでしょう。
- ファンドラップやラップ型投信、バランスファンドについてはこちらを参照:ラップ・ファンドラップ・ラップ型投信・バランスファンドについて
ただし、今後明らかにアロケーションが上手いAIロボが現れる可能性もあるのでパフォーマンスに注目です。
AIが運用しようと人間が運用しようと儲からなければ残高は伸びませんのでパフォーマンスが重要です。
さらに今後は一般的なアロケーションとリバランスの提供だけでなく、積極的に資産配分を変更し、ベータコントロールを行っていくヘッジファンドのようなサービス等、様々なサービスが現れることが予想されます。
最適ポートフォリオを提供してくれるサービスの例
- THEO(テオ):お金のデザインが提供
- WealthNavi:ウェルスナビが提供
- 楽ラップ:楽天証券が提供するロボアドバイザーが運用するファンドラップ
- SMART FOLIO:みずほ銀行が提供
- 投信工房:松井証券が提供
- ファンドロイド:大和投信が提供
- Funds Robo:野村アセット
- マネラップ:マネックス・セソン・バンガード投信
その他AI関連投信
上記以外のAI関連で良く目にするのはAI関連企業に投資するファンドです。
テーマ型ファンドの一種です。
AI技術の開発のほか、AIの開発に必要なコンピューティング技術、AIを活用したサービス、AIを活用したソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業等が投資対象になります。
いくつかの運用会社から販売されています。
AI関連企業に投資する投資信託の例
- グローバルAIファンド
- ニッセイAI関連株式ファンド