こちらのページでは「日経平均(日本株)」「NYダウ(米国株)」「ドル円レート」について、2001年~2020年の月別パフォーマンスから季節性(アノマリー)が存在するかを検証しています。
- アノマリーについてはこちらを参照:株式投資のアノマリーを月別に整理 / 日米株式市場の規則性
日本株・米国株・ドル円為替レートについて「何月にパフォーマンスが良いのか?」「何月にパフォーマンスが悪いのか?」という季節性を把握するためのデータとして参考になれば幸いです。
- 日本株は4月・11月・12月のパフォーマンスが良く、1月・8月のパフォーマンスが良くありません
- 米国株は4月・11月のパフォーマンスが良く、パフォーマンスが極端に悪い月はありません
- 日本株・米国株ともにセルインメイ(5月に売って9月に買う)は有効です
- ドル円レートはあまり季節性はないようです
詳細は下記をご覧ください。
日経平均株価の季節性(アノマリー)検証【2001年1月~2020年12月の月別騰落率】
最初に「日経平均株価の月別の騰落率データ」です。
日経平均の月別騰落率を確認すると、月ごとのバラツキが大きいことが確認できます。
パフォーマンスが良好なのは「4月・11月・12月」です。
4月は日本株のアノマリーとして「新年度効果」というものがあります。
新年度入りにより、機関投資家に新規資金が配分されることから需給が好転するというものです。
11月は2000年代はそれほどパフォーマンスは良くありませんでしたが、2012年以降は9年連続プラスとなっています。
昔は11月はヘッジファンドの決算売りがでやすく、世界的に株式の需給が悪化すると言われていましたが、下記に掲載しているNYダウも含めて、現在ではあまり関係がないようです。
12月は2018年に大きな下落を経験しましたが、それ以外は相対的に良好なパフォーマンスとなっています。
感覚的にも12月はいつも上がっている印象があります。
一方、月別の騰落率でパフォーマンスが悪いのは「1月・8月」です。
1月は上記で紹介したパフォーマンスが良好な11月・12月の反動で下落していると考えられます。
8月はいわゆる「夏枯れ相場」で、市場参加者が大きく減少することからパフォーマンスが悪いと言われています。
また、下記に掲載している「ドル円レートの月別騰落率」を確認すると1月・8月は円高になりやすいということが確認できます。日本株が1月・8月にパフォーマンスが悪いのは円高が影響している可能性もあります。
上記から日本株は「9月~10月に買い、12月に売却」か「1月に買い、5月~6月に売り」が良いようです。
- 日経平均の長期チャートはこちらを参照:日経平均株価の長期推移(チャート・変動要因)/ドル円レートとの比較チャートも
NYダウの季節性(アノマリー)検証【2001年1月~2020年12月の月別騰落率】
次に「NYダウの月別の騰落率データ」です。
日経平均とほぼ同じ結果になるかと思いましたが、意外と異なる部分もありました。
まず、NYダウの月別騰落率でパフォーマンスが良好なのは「4月・11月」です。
この部分に関しては日経平均も4月・11月・12月でしたので似ています。
イベント的には4年に一度、11月に大統領選挙が行われますが、この影響で11月・12月のパフォーマンスが良くなっている可能性もあります。
- 米国の大統領選挙の仕組みについてはこちらを参照:米国議会は50%以上がねじれ/大統領政党・上院・下院の多数派政党の変化
そして、NYダウの場合、極端にパフォーマンスが悪い月はありませんでした。
日経平均では1月が−1.4%、8月が−1.2%でしたが、NYダウの場合は月間で1.0%を超えるマイナスの月はありませんでした。
1月は−0.5%、8月は−0.3%です。
また、日経平均が−0.3%の7月は、NYダウは+1.4%と逆の動きとなっています。
これらを総合的に確認すると米国株(NYダウ)は日本株(日経平均)と比較して安定性がかなり高いと言えます。
また、米国株のアノマリーとして有名な「セル・イン・メイ」というものがあります。
具体的には「5月に株を売り、セントレジャー・デイ(9月第2土曜日)まで戻ってくるな」というアノマリーになりますが、上記のデータを見るとまさにその通りとなっていることが確認できます。
米国株は5月に売って9月に買うとかなり高いパフォーマンスになりそうです。
- 米国株の長期チャートはこちらを参照(NYダウの長期チャートも掲載しています):米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回
ドル円為替レートの季節性(アノマリー)検証【2001年1月~2020年12月の月別騰落率】
最後に「ドル円為替レートの月別の騰落率データ」です。
ドル円為替レートの月別騰落率は上記の日経平均やNYダウと比較するとバラツキはそれほど大きくありませんでした。
株式と比べてドル円為替レートには月や季節によるアノマリーのようなものはないようです。
その中で強いて強弱をつけるとすれば下記の通りとなります。
まず、ドル円為替レートの月別騰落率でパフォーマンスが良好なのは3月・11月です。
逆にパフォーマンスが悪いのは1月・8月になります。
(上記でも記載しましたが、日本株も1月・8月のパフォーマンスが悪く、ドル円レートの円高が影響している可能性があります)
- ドル円レートの長期チャートはこちらを参照:ドル円レート長期推移1971~(チャート・変動要因)