こちらのページでは主要新興国のマクロデータ(GDP・経常収支・失業率・外貨準備高・格付け等)を時系列で掲載しています。
変化のポイントについても箇条書きで掲載しています。
新興国通貨・新興国株式に投資する際にご活用ください。
※データ出所:IMF WEO、Bloomberg
中国のマクロ経済データ推移
- 1人当たりGDPが順調に上昇したことで、名目GDPは大きく拡大。2010年には日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。
- 中国の政策金利は「一年物の貸出基準金利」を掲載
- 外貨準備高は2006年に日本を抜いて世界一となった。その後も増加を続け2021年は2位の日本の約3倍の水準。ただし、人民元の下落を防ぐ目的で元買い・ドル売り介入を行うと外貨準備高は減少する。(逆に人民元高を是正するための元売り・ドル買いで外貨準備高が増加するケースもある)
- 外貨準備高のランキングはこちらを参照:世界各国の外貨準備高ランキングの変化(1990年・2005年・2020年)
- 人民元の長期チャートについてはこちらを参照:人民元為替レート(円/人民元、人民元/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
ブラジルのマクロ経済データ推移
- 2012年から2021年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれはブラジルレアル安の影響である。1人当たりGDPは米ドルベースで表示される為、現地通貨安は減少要因となる。この間も現地通貨ベースでは増加している。
- 1人当たりGDPは通貨レアル下落の影響もあるが、1万ドル前後で伸び悩んでおり、「中所得国の罠」に陥っている可能性もあるので注意が必要。
- 2003年以降、外貨準備高は大幅に増加した。外貨準備高の増加は通貨レアルが下落した場合の介入余地を高めるのでプラス要因である。
- かつてハイパーインフレの混乱期を経験しており、政府・中央銀行が最も警戒するのはインフレ率の上昇。そのためインフレ率より政策金利が高めに設定される傾向があり、結果として実質金利は世界的にみても高い水準である。
- 実質金利が高いことは日本を始めとした海外の投資家から見るとプラスの要素である。
- 一方、2015年のように景気悪化局面でも高めの金利に設定されると景気回復が遅れるというデメリットもある。
- ブラジルレアルの長期チャートについてはこちらを参照:ブラジルレアル為替レート(円/レアル,レアル/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
- ブラジルやブラジルレアルを取り巻く環境はこちらを参照:ブラジルレアルのポイント【ブラジルボンドオープンを例に解説】
インドのマクロ経済データ推移
- 2022年~2025年頃に人口で中国を追い抜き世界1位となる見通し。
- 世界の人口予想はこちらを参照:世界の人口推計(人口予測)/人口ランキング
- 一人当たりGDPは2025年前後に3000ドルを超える見通し。この水準は自動車や家電等の消費が急速に伸びる段階であり、経済の拡大が見込める。中国やブラジルなどと比較して1人当たりGDPの水準がまだ低いことから当面は上昇が見込める。
- 1人当たりGDPランキングはこちらを参照:1人当たりGDPランキングの推移(1990年・2000年・2010年・直近) / 日本の地位は低下傾向
- 名目GDPは2021年現在、日本を大幅に下回っているが、2030年頃には日本を抜き、中国・米国に次ぐ世界第3位になる見通し。
- 名目GDPランキングはこちらを参照:名目GDPランキングの推移(2000年・2010年・直近)
- インドルピーの長期チャートについてはこちらを参照:インドルピー為替レート(円/インドルピー、インドルピー/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
ロシアのマクロ経済データ推移
- 2012年から2015年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれは米ドルベースである為、為替の影響による。現地通貨ベースでは増加している。
- ちなみにロシアルーブルは2014年11月に完全変動相場制に移行しており、特に2014年~2015年にかけて大きく下落した。
- ロシアルーブルの長期チャートについてはこちらを参照:ロシアルーブル為替レート(円/ルーブル,ルーブル/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
- 2009年と2015年は原油価格の下落により、国の歳入が減少したことで財政収支が大幅に悪化した。ロシアの歳入は原油ガス収入とその他収入の2つに大別され、平常時は概ね50%ずつとなっている。よって、ロシアの財政収支は原油価格の影響を受けやすい。
- 1998年のロシア政府のデフォルトによるロシア危機の際は外貨準備高が128億ドルであったが、2021年は表にあるように6,310億ドルとなっており、対外的なショックに対する耐性は高くなっている。外貨準備高のランキングはこちらを参照:世界各国の外貨準備高ランキングの変化(1990年・2005年・2020年)
南アフリカのマクロ経済データ推移
- 2012年から2015年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれは米ドルベースである為、為替の影響による。現地通貨ベースでは増加している。
- 南アフリカはアフリカ諸国の中ではインフラが整っており、外資系企業も多く進出している。しかし、所得格差が大きく、失業率も高止まりしており、それが原因で政局も不安定であることから、2010年代は経済が伸び悩んだ。
- 南アフリカランドの長期チャートについてはこちらを参照:南アフリカランド為替レート(円/ランド、ランド/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
インドネシアのマクロ経済データ推移
- 2012年から2015年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれは米ドルベースである為、為替の影響による。現地通貨ベースでは増加している。
- 外貨準備高は着実に増加、ソブリン格付けも順調に向上している
- 1990年代後半のアジア通貨危機では通貨インドネシアルピアが大きく下落したが、通貨の安定性は高まっている
- インドネシアルピアの長期チャートについてはこちらを参照:インドネシアルピア為替レート(円/ルピア・ルピア/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
メキシコのマクロ経済データ推移
- 2012年から2015年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれは米ドルベースである為、為替の影響による。現地通貨ベースでは増加している。
- 1人当たりGDPは1万ドルの壁をしっかり越えられない状況が続いている。
- 経済的には米国向け製品の製造拠点として存在感を高めてきた。
- メキシコペソの長期チャートについてはこちらを参照:メキシコペソ為替レート(円/メキシコペソ、メキシコペソ/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
トルコのマクロ経済データ推移
- 2012年から2018年にかけてGDPが減少しているように見えるがこれは米ドルベースである為、為替の影響による。現地通貨ベースでは増加している。
- 2015年~2020年頃は通貨の大幅下落に対応した高金利政策、政局の混乱、地政学リスクの顕在化など多くの問題が発生した。
- トルコリラの長期チャートについてはこちらを参照:トルコリラ為替レート(円/トルコリラ、トルコリラ/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
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