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保有する日本株を有効活用した提案手法【VWAP、特約付株券貸借取引(カバードコール)】

投稿日:2016年10月1日 更新日:

証券会社の預かり資産で最も多い日本株を活用する提案

2000年代前半に株式の委託手数料が自由化され、ネット証券が台頭してから日本株の売買で収益を上げることは難しくなってきました。

今の20代の証券マンの中には日本株をほとんど提案したことがない人もいるようです。

相対的に手数料の高い投信、仕組債、保険などが提案の中心になっているのが現状です。

しかしどの証券会社でも預かり資産の内、最も大きなウェイトを占めるのは日本株です。

この日本株を活用しないことは大変もったいないと思います。

そこで今回は日本株(個別株)の委託注文以外の取引で比較的高い収益が得られて、それほど難しくない提案手法を2つご案内します。

どちらも富裕層や法人顧客を開拓するには最低限、身につけておかなけれぱならないものです。

VWAP(ギャランティ)取引

VWAPとは「Volume Weighted Average Price」の略で、出来高加重平均取引のことをいいます。

例えば、終日取引VWAPでは寄付から大引けまでの出来高加重平均価格で株式の売買ができます。

出来高で加重平均した中央値となる価格での売買となりますので、日中の価格変化の中で「安いところで売ってしまった」ということを防ぐことができます。

通常は小型株やJ-REITなど流動性が低い銘柄を売買する際や、流動性が高い銘柄でも数億円単位等まとめて売買する際に使われます。

終日のVWAP値を使う取引以外にも前場や後場のVWAP値を使う取引も一般的です。

元々、機関投資家向けの取引でしたが、最近では個人向けにも取引を拡大している会社が多いようです。

取引所取引ではなく証券会社との相対取引となり、VWAP値×1.01で買い、VWAP値×0.99で売りのような形で取引されます。

委託手数料はなく売買の差額が手数料と考えてもらえば結構です。

VWAP取引の流れ

通常の委託手数料よりもコストは高くなるので、下記に掲載するメリットと比較して検討すれば良いと思います。

顧客のメリット

  1. 大口でもマーケットインパクトを気にしないで売買できる
  2. 約定単価は1本となるので特に法人顧客などは会計処理の負担が減る
  3. 発注タイミングを計るために、日中の株価推移を見続ける必要がない
  4. 売買が成立しないリスクを軽減できる
    (VWAPギャランティの売買契約が取り消しになるのは対象銘柄の売買が成立しない、ストップ高・ストップ安で比例配分や特別気配のまま終了、売買停止などの場合です)

特約付株券貸借取引(カバードコール)

通常の株券貸惜取引(特約なし)は、顧客が証券会社に保有している株券を貸出す代わりに、貸出料(貸借料)を受け取る取引です。

特約付株券貸借取引は経済効果はカバードコールと同じで、株価が当初定めた特約価格以上になれば、特約価格で売却され現金で返ってきて、特約価格未満であれば株券で返ってくる仕組みです。

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特約価格以上のキャピタルゲインを放棄する代わりに、通常の株券貸惜取引(特約なし)と比べて高い貸出料(貸借料)を受け取る取引です

特約付株券貸借取引(カバードコール)取引例

  • 銘柄:ソフトバンク(9984)
  • 期間:1年
  • スポット価格:6,800円
  • 特約価格(ターゲット価格):7,480円(スポット価格×110%)
  • 貸借料(オプション料):2%
  • 保有数量:1万株(時価6.800万円)

現在保有しているソフトバンク1万株(6,800万円)を活用して、新たに資金を追加することなく年率2%の貸借料を受け取ることができます。

そのかわり1年間の間に10%上昇するとその価格で売却されます。

よって通常は,10%上なら売却しても良いと考えている場合にこの取引を行うのが一般的です。

貸惜料(オプション料)は下記によって決まります。

  1. 期間の長さ
    期間が長い方が貸借料(オプション料)は高くなります。
  2. 特約価格(ターゲット価格)
    特約価格(ターゲット価格)が低い(時価に近い)方が、貸借料(オプション料)は高くなります。
  3. 対象株式のボラティリティ(価格変動率)
    ボラティリティ(価格変動率)が高いマーケット環境の方が貸惜料(オプション料)は高くなります。

対象顧客

簿価なら売ってもいい

よくあるケースとしては、買った株が下がってしまった場合やEB債でノックインた場合等、含み損を抱えている株式を保有しており、購入価格まで戻れば売却しても良いと考えている場合です。

貸借料(オプション料)を受け取りながら購入価格で指値をするパターンです。売却になった場合でも株式委託手数料はかかりません。

もし株価が上昇しなくても、貸借料(オプション料)分だけプラスになるので顧客としても取り組みやすい事例です。

株価は当面ボックス圈との見通し

当面はレンジでの動きとなり上下ともにトレントを持った動きにはならないだろうとの相場観を持っている顧客に対し、保有株を活用して貸借料(オプション料)を稼ぐ提案は有効です。

注意点

貸借料(オプション料)は個人の場合、雑所得となり総合課税になるため法人の方が取り組みやすいと思います。

最近ではカバードコール戦略を使った投資信託も増えているようです。

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この取引は、通常は株式市場の環境があまり良くない時に有効な提案ですので、営業マンが苦しい時の助けになると思います。

またお客様にとっても、メリットがある提案だと思われます。

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