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J-REIT・私募REIT・私募ファンドの違い

投稿日:2016年6月29日 更新日:

不動産への投資スキーム

不動産への投資スキームは大きく分けて4パターンに分けられます

  • J-REIT
  • 私募REIT(私募リート)
  • 私募ファンド
  • ブリッジファンド

不動産証券化商品仕組み図

基本的な仕組み(バランスシート)はいずれも上記のような形式となり大きな違いはありません。

不動産への投資スキーム一覧

reit_fund_hikaku

下記に各スキームのポイントとなる点を掲載します。

J-REIT

  • 東証に上場されており、流動性が高い
  • 比較的優良な物件で構成されているリートが多い。
  • マーケットで取引される分、実物不動産に比べて変動が大きい。

私募REIT(私募リート)

  • 上場していないREIT。形態は上場しているJ-REITと同様で投資法人型。
  • 2010年ごろからスタート
  • J-REITとの違いは上場されているか否かのみであり、流動性がない反面、価格の変動率が小さいので安定的に長期投資したい投資家には向いている
  • 価格変動は鑑定価格の推移となる
  • リーマンショック後、東証REIT指数は約2,600ポイントから約700ポイントまで70%以上下落したが、私募REITは当時存在すれば20%~30%程度の下落にとどまったと想定される。
  • 私募REIT(参考指数)とJ-REITの価格推移比較(配当含まず)
    reit_fund_shibo_chart
  • 一般的に不動産の鑑定価格は市況によりそれほど大きく変動しないため、私募REITは多少レバレッジがかかっていても大きな価格変化にならない
  • 上場リート(J-REIT)との比較でいうと、上場リートは市況が良くなるとNAV倍率(株式のPBR)が1倍を超えて取引される。
    一方、私募REITは常に鑑定価格ベースで価格が評価される(NAV倍率は常に1倍)。
    よって流動性の問題はあるが、市況が良く上場リートのNAV倍率が高くなっている状況では私募REITを購入した方が割安に投資できることになる
    (2014年~2015年頃はJ-REITの平均NAV倍率が1.5倍前後であった為、バリュエーション的には私募REITを購入する方が割安であった)
  • ただし私募REITは基本的に期限はなく、取引市場もない為、売却する際は転売先を探す必要がある。(実物不動産を保有するイメージに近い)
  • 市況が悪化した際に私募REITの買い手が存在するかは不確定要素となる。
  • 商品によっては、「年間に純資産の3%を上限に解約ができる」等の規定があるものもある。この場合、他の投資家が解約しなければすべて解約できるケースもあるが、一般的に解約を希望するタイミングは重なるケースも多いので、流動性は低いと認識しておくべき
  • 参考ページ:「地銀や年金が私募REITを積極購入~日経新聞記事~
  • 設立されている私募リート一覧
    私募リート一覧

私募ファンド

  • 私募REITとの違いは、期限(3年~7年)が定められている点と、一般的にLTVが高い点である。
  • 私募ファンドの保有期間中は私募REITと同様に鑑定評価ベースでの評価であり、レバレッジが高い分、少しだけ私募REITより値動きは大きくなるが上場リートほどの価格変動はない。
  • しかし、私募ファンドの償還時は通常、保有物件を売却して資金化することになり、その際は価格は鑑定評価ではなくその時の不動産市況の影響を大きく受けた売買価格となりる。
  • さらに私募ファンドはレバレッジが高い分だけ、価格の変動率は大きくなる。例えばLTV80%ということは20%の出資で不動産を購入していることになり、5倍のレバレッジとなる。
  • ローンによる資金調達はJ-REITや私募リートのようにシニアローンからのみ調達するケースもあるが、私募ファンドではメザニンローンを併用するケースも多い。これはJ-REITや私募リートよりも高いレバレッジとするためである。
  • また運用期間中は銀行やリース会社から借り入れを行うが、借入期間はファンドの償還期限より短期で借り換えを前提としているものも多くある。通常の市況であればそれほど問題はないが、リーマンショックの際は、借り換えができず物件を処分せざる負えなくなり、基準価格が大きく下落したファンドも多くあった。

ブリッジファンド

  • ブリッジファンドは私募ファンドの一種であるが、不動産物件をJ-REIT(上場リート)等に同価格で転売することが前提となっている
  • よってファンドの価格が変動しないことが元々想定されている点で他のREITや私募ファンドとは大きく異なる
  • J-REIT(上場リート)は内部留保できない仕組みである為、LTVに余裕がない場合、新規の物件を購入する際は、必ず公募増資を行う必要がある。通常、増資による分配金の希薄化がおこらないように決算後のタイミングで増資を行うのが一般的。
  • しかし、スポンサーからの物件取得の場合は増資のタイミングで物件の売買がを行えばよいが、外部から取得する際は必ずしも増資のタイミングに合うというわけではない。この時、物件の取得と増資までのタイムラグをつなぐのがブリッジファンド。(ブリッジファンド=橋を架けるファンド
    ブリッジファンド仕組み図
  • ただしJ-REIT(上場リート)市場の低迷などにより、増資ができなくなった場合、最終的に物件を市場で売却することになるケースも想定される。その場合はブリッジファンドの価格が元本割れする可能性もある。
  • ブリッジファンドは通常、元本割れリスクも少なく利回りも5%以上のものが多く、投資家にとっては魅力的な商品であるが、レバレッジが高い分、元本割れするときは損失が大きくなる可能性もあるので注意が必要。
  • 私募ファンドと同様、メザニンローンを活用するケースも多い
  • ブリッジファンドの注意するポイント
    • 購入予定のJ-REITは資産規模が大きなREITであるか
    • 購入予定のJ-REITはLTV(借入比率)に余裕があるか
    • 購入予定のJ-REITは信用力のあるスポンサーか
    • この3つをクリアしていれば市況が悪化した場合でも、元本毀損リスクは低いと言える。特にLTV(借入比率)に余裕があるか否かは重要で、LTVに余裕があれば最悪、公募増資ができなくても物件を購入できるため、ブリッジファンドのリスクは低くなる
    • 逆にLTV(借入比率)に余裕がない場合、リート市場が下落し公募増資ができなくなると、予定の期日にブリッジファンドが償還されないリスクが発生する。さらに最終的に低い価格で物件を売却することとなると元本割れのリスクも発生する。上記の通り、レバレッジが高い分、元本割れした場合の損失は大きくなる可能性がある。

J-REIT、私募REIT、私募ファンド、ブリッジファンドに投資するには

  • J-REITは株式と同様、個人・法人問わず誰でも売買可能。
  • 私募REITは一般的に「適格機関投資家」限定であるが、投資事業組合(LPS)などを間に経由することで適格機関投資家以外でも購入可能な場合がある。ただし投資事業組合(LPS)にすると個人の場合は利益が総合課税となるため、通常は法人のみの取り扱い。
  • 私募ファンドブリッジファンドは投資事業組合(LPS)経由での投資が多く、上記と同様に法人のみの取り扱いが一般的となる。(一部、少人数私募投信等を経由して個人に販売するケースもある)
  • よって個人が購入できるのはJ-REITのみで、私募REIT・私募ファンド・ブリッジファンドに投資する場合は、資産管理会社を保有していることが条件となる。

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