こちらのページでは世界各国の実質GDP成長率(経済成長率)の長期データを掲載しています。
下段では日本のGDPデータを詳細に掲載していますので、そちらも参考にしてください。
日本も1960年代は実質GDP成長率・名目GDP成長率が共に10%以上で推移していました。
詳細は下記をご覧ください。
主要国の実質GDP成長率推移とポイント解説【1991年~2023年】
(単位:%、出所:IMF World Economic Outlook )
- 1991年~2000年の実質GDP成長率
- 2001年~2010年の実質GDP成長率
- 2011年~2020年の実質GDP成長率
- 2021年~の実質GDP成長率
上記データのポイント解説を箇条書きで掲載します。
- 2021年以降のデータはIMF予想値
- 世界全体の実質GDP成長率が3%後半~4%もしくはそれ以上となれば景気はかなり良い状況といえる。逆に2001年~2002年のように3%以下の成長率となるとかなり景気が悪い状況といえる。
- 2003年~2007年は中国やインドを始めとした新興国の成長率が高かったことで全世界の成長率も5%前後と非常に高い成長率となった。当時は株式市場でもBRICsをはじめとする新興国ブームが起こった。
- 2009年はリーマンショック後の混乱で多くの先進国がマイナス成長となった。【リーマンショック時の金融市場についてはこちらを参照:各資産の最大下落率(リーマンショック)】
- 新興国は潜在的な成長力が高く2009年も多くの国でプラスとなったが新興国全体では+3.1%と数年ぶりの低成長となった。
- 先進国の中でオーストラリアは2009年も+1.6%とプラスを維持し、経済の安定感を印象付けた(上記表の一番最初にある通り、オーストラリアは1991年に-1.1%のマイナス成長になって以降、2019年まで約30年近くマイナス成長にならなかった)
- 原油価格をはじめとするエネルギー・資源価格が大幅に下落した2015年・2016年はロシアとブラジルがマイナス成長となった。ロシア経済はエネルギー産業のウエイトが大きく、原油安は景気悪化を招く。2015年・2016年のブラジルは景気が低調な中、通貨安と高インフレを抑えるために高金利政策をとった事でさらなる景気の悪化を招いた。(スタグフレーション)【原油価格の推移はこちらを参照:WTI原油スポット価格 長期推移(チャート、変動要因)】
- 中国は1990年~2010年頃まで長期間に渡り10%前後の高い成長率を維持してきたが、2010年代に入り徐々に成長率は低下してきた。世界第2位の経済大国となり、経済規模自体が大きくなっていることから今後も低下傾向が続く見通し。
- インドは2014年に誕生したモディ政権の政策効果により経済成長率が高まった
- インドネシアの1998年の実質GDP成長率は-13.1%と大きなマイナス幅となっているが、これはアジア通貨危機の影響で、タイ・フィリピン・マレーシア・韓国なども同様に大きな影響を受けた(アジア通貨危機の震源地はタイであったが、もっとも経済が混乱したのはインドネシアであった)
- アジア通貨危機についてはこちらを参照:各資産の最大下落率(アジア通貨危機・ロシア危機)
- インドネシアルピアの推移はこちらを参照:インドネシアルピア為替レート(円/ルピア・ルピア/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
- 2019年は米中貿易戦争の影響により、世界全体の実質GDP成長率は2010年代で最も低い水準となった
- 2020年は新型コロナウイルスの影響により多くの国でマイナス成長となった(オーストラリアは1991年以来、約30年ぶりにマイナス成長となった)
- 上記の1991年以降では中国のみが実質GDP成長率が一度もマイナスになっていない
次に日本のGDPの詳細データを紹介します。
日本の「名目GDP」「名目GDP成長率」「実質GDP成長率」の超長期推移【1961年~2023年】
日本の「名目GDP」「名目GDP成長率」「実質GDP成長率(経済成長率)」の1961年以降の超長期データです。
内閣府が公表しているデータをベースに作成しておりますので、上記IMFデータと若干乖離している場合があります。
日本も昔は高い経済成長率だったことが確認できます。
例えば1961年(昭和36年)は名目GDP成長率が20.8%、実質GDP成長率が11.9%ともの凄い成長力でした。
名目GDP成長率と実質GDP成長率の差はインフレ分になります。
1995年から2013年までは、多くの年で実質GDP成長率が名目GDP成長率を上回っており、デフレが続いていたことが分かります。
アベノミクスや日銀の金融緩和・インフレ目標導入の効果で一時的にデフレから脱却しましたが、その後は一進一退の状況が続いています。
- 日本のインフレ率の推移はこちらを参照:日本の消費者物価指数(CPI・コアCPI・コアコアCPI)の定義・長期推移・使い方
【参考】GDP(国内総生産)とは
GDPとはGross Domestic Product(国内総生産)の頭文字をとったものです。
- G(Gross):総額
- D(Domestic):国内
- P(Product):生産
専門的に表現すると「国内で1年間に生み出されたモノ・サービスの付加価値の合計」となります。分かりやすく言い換えると「もうけの合計」のようなイメージです。
GDPには日本企業が海外で生産したモノ・サービスは含まれません。
GDPは目的によって「名目GDP」と「実質GDP」が使い分けられます。
国の経済規模などを比較する際は「名目GDP」が使われます。(経済規模のランキングなど)
一方、各国がどれくらい経済成長しているかを確認する際は「実質GDP」が使われます。(経済成長率など)
経済成長を見る際に「実質GDP」が使われるのは、「名目GDP」ではインフレ分も含まれ、特に新興国など恒常的にインフレ率が高い国では経済成長の実態を表現できないからです。
ちなみにGDPデフレーターという言葉がありますが、これは名目GDPを実質GDPで割ったものです。
- GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP
GDPデフレーターが1を超えていれば物価が上昇(インフレ)していることとなり、1未満の場合はいわゆるデフレの状態となります。
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