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トルコリラヘの投資を考える(2018年8月アップデート版)

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このページは下記記事のアップデート版です。

これらのページも合わせてご覧いただくと理解が深まると思います。

2018年8月のトルコリラ

2018年5月頃からトルコリラの下落が顕著となり、さらに2018年8月に入るとこれまで経験したことのないスピードで下落が加速しました。

2018年8月13日には1ドル= 7.0トルコリラ、1トルコリラ=15円台まで下落しました。

その後、買い戻され2018年8月21日時点で1ドル=6.1トルコリラ、1トルコリラ=18.1円となっています。

下記に2006年1月~2018年7月の月次ベースのチャートと足元の動きを表した2018年7月2日~2018年8月21日の日次ベースのチャートを掲載します。

トルコリラチャート長期

トルコリラチャート短期

2018年8月の動きの異常さが良く分かります。

トルコリラの動きを分析する上で通常はインフレ率・景気・経常収支なども大きな要素となりますが、2018年の下落の大部分は「政治・社会情勢」で説明が可能です。

2018年トルコの政治・社会情勢

トルコリラが下落した要因は大きく2点です。

1つ目が米国との対立が激化したことです。

もともと北大西洋条約機構(NATO)の加盟国同士ですが、イスラム国(IS)への対応あたりから徐々にすれ違いが生じ、トルコ在住の米国人牧師拘束問題を巡り米国がトルコに制裁を実施、その後トルコも報復制裁を実施してます。

トランプ大統領、エルドアン大統領は共に強気の行動により支持を集めている側面が強く、互いに譲らない状況となっています。

そしてトルコリラが下落したもう1つの要因がエルドアン大統領が中央銀行に介入し中銀の独立性に対する懸念が台頭していることです。

インフレ率が上昇しているにもかかわらず、景気に配慮して利上げを行わないよう圧力をかけています。

結局は両方ともエルドアン大統領の対応次第となります。

上記のチャートをみるとさすがに売られ過ぎのように見えますが、ここで上げた2つの要因はエルドアン大統領による俗人的な部分が大きいので予想が難しくなります。

感覚的には売られ過ぎなので一定のリバウンドは期待できると思いますが。。。

また、自国の問題ではなく、同じ新興国通貨として連れ安したブラジルレアルやメキシコペソの投資の方がリスクは低いと考えます。

トルコのインフレ率・政策金利

上記にも掲載しましたが、2018年のトルコリラ安の要因の大部分は「政治・社会情勢リスク」によるものですが、参考としてインフレ率の推移も掲載しておきます。

トルコインフレ率推移

2018年7月のトルコのインフレ率は15.85%まで上昇してます。

トルコ中央銀行のインフレ目標は5%±2% (3%~7%)ですので、大きく上振れしています。

ただし今回はインフレ率上昇により通貨が下落したというよりも、通貨が下落したことがインフレ率を押し上げたという側面が強いと思われます。

一方トルコの政策金利は2018年7月時点で17.75%です。(1週間物レポ金利)

ちなみにトルコの政策金利は現在4種類あります。

メインとなるのは「1週間物レポ金利」で、上限金利として「後期流動性ウィンドウ金利」、下限金利として「翌日物借入金利」があります。

現在、実務的に使われるのはこの3種類の金利です。

これに以前上限金利としていた「翌日物貸出金利」も公表を続けている為、4種類の政策金利と言われています。



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