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トルコリラヘの投資を考える(2018年2月アップデート版)

投稿日:2018年2月15日 更新日:

このページは2017年2月に掲載の「トルコリラヘの投資を考える/通貨は大きく下落+高金利」の情報アップデート版です。

トルコリラの最新情報は「トルコリラヘの投資を考える(2018年8月アップデート版)」をご覧ください。

これらのページを合わせてご覧いただけると理解が深まると思います。

2018年2月のトルコリラ

2018年2月14日時点のトルコリラは、対米ドルで1ドル=3.81トルコリラ、対円で1トルコリラ=28.3円となっています。

トルコリラチャート

足元のトルコリラは軟調な展開となっており、対米ドル・対円ともに過去最安値近辺で推移しています。

トルコリラの見通しを考える上でポイントとなるのは下記の3点です。

  1. インフレ率
  2. 景気
  3. 政治・社会情勢

この3つのポイントについての詳しい説明は「トルコリラヘの投資を考える/通貨は大きく下落+高金利」も参照してください。

2018年2月のトルコのインフレ率

トルコインフレ率チャート

トルコ中央銀行のインフレ目標は5%±2% (3%~7%)です。

トルコは高いインフレ率になりやすい体質となっており、過去数年間でみても多くの期間でインフレ目標の上限である7%を上回るインフレ率となっています。

その結果として、継続して購買力平価がトルコリラ安方向にシフトしています。

トルコリラ購買力平価水

2017年9月時点のトルコリラの購買力平価は1ドル=3.0トルコリラ前後となっています。
(購買力平価は使用するデータにより若干、上下します)

現在の為替レートは1ドル=3.81トルコリラですので購買力平価対比では割安と言えます。

インフレ抑制に向けてトルコ中央銀行は引締め気味の金融政策を継続してます。

トルコの政策金利は以前は3つでしたが、現在は4つとなっています。

以前は政策金利である「1週間物レポ金利」に対し、上限金利として「翌日物貸出金利」、下限金利として「翌日物借入金利」としていました。

現在は上限金利が実質的に「後期流動性ウィンドウ金利」となっています。(ただし翌日物貸出金利も同時に公表されている為4つの政策金利と言われています)

ちなみに2018年2月時点で、1週間物レポ金利が8%、翌日物貸出金利が9.25%、翌日物借入金利が7.25%、後期流動性ウィンドウ金利が12.75%となっています。

トルコリラはインフレ率の動向に大きく影響されます。

今のインフレ水準ではトルコリラの動きに悪影響を与える形になりますので注意が必要です。

2018年2月のトルコの景気動向

クーデター未遂時事件などの影響で2016年7-9月期(3Q)は実質GDP成長率が-1.8%と大きく落ち込み、リーマンショック後の2007年7月-9月期以来7年ぶりのマイナスとなりました。

しかし、その後は悪影響は広がらず、順調に景気は回復してます。

前年の反動もあり2017年7-9月期(3Q)の実質GDP成長率は+11.1%となりました。

足元の景気が好調なことから、トルコ政府は2017~2020年の成長率目標を5.5%に引き上げました

2018年2月のトルコの政治・社会情勢

2017年10月に対米関係が悪化し、ビザの発給を停止したことがトルコリラ安の要因となりました。

ビザの発給を停止については2017年12月に再開しており、事態は好転しています。

一方、シリア情勢は予断を許さない状況です。

米国が支援するクルド人勢力に対し、トルコ軍が2018年1月より軍事作戦を展開しており、緊張は高まっています

トルコリラに関するその他のリスク要因

他の新興国通貨も同様ですが、米ドルの金利が上昇するとマイナス要因と言われます。

しかし、これは1980年代や1990年代のイメージが強いことからそう言われるようです。

例えば2004年~2006年にかけて米国の金利が上昇した際、新興国通貨が売られるといった状況にはなりませんでした。

トルコリラも一時的に下落した期間もありましたが、2004年~2006年は概ね横ばいの推移となりました。

2018年2月のトルコリラのまとめ

トルコ国内の景気は問題ないようですが、インフレ率が高止まりしていることと、地政学リスクには少し注意が必要な状況です。

ただし、既にトルコリラは購買力平価の理論値から大きく下落していることからも、ある程度の悪材料は織り込んでいるとも言えます。

さらに現在、トルコリラ建ての債券の利回りは10%以上となっていることから、円高抵抗力もかなり高くなります。

10%で3年程度保有すれば1トルコリラ=22円程度まで円高になってもプラスとなります。

インフレ率が落ち着くと予想外の高いリターンになることも期待できます。

ここまで想定するのであれば、運用のコアにはなりませんが、分散投資の一部(サテライト)として投資するのも悪くないでしょう。



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