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メキシコペソヘの投資を考える / 通貨は大きく下落

投稿日:2017年2月17日 更新日:

メキシコペソの推移

メキシコペソチャート

メキシコペソ/米ドルのチャートを確認すると、2008年のリーマンショック前は、1ドル=11メキシコペソ前後で比較的安定的に推移していました。

リーマンショック後の2009年~2014年は1ドル=12~14メキシコペソのレンジで推移していましたが、2015年以降、下落が加速し、2017年1月末時点で1ドル=21メキシコペソ前後となっています。

円/メキシコペソの為替レートは、2016年11月のトランプ氏の大統領決定以降、ドル円が円安ドル高にシフトしたため、メキシコペソ/米ドルほどメキシコペソ安には見えません。

それでも円/メキシコペソは、2011年~2012年の安値と同じレベルまで円高メキシコペソ安となっています。

ちなみに、2011年~2012年はドル円レートが1ドル=80円割れまで円高が進んだ時期です。

トランプ大統領がメキシコに対し厳しい政策をとっていることもあり、今後も変動が激しいマーケットが予想されますが、以前紹介したトルコリラと同様、感覚的には安いなと感じるレベルになってきましたので、メキシコペソヘの投資についてポイントを確認してみたいと思います。

通貨安の要因について

原油価格の下落の影響によるメキシコペソ安

メキシコペソ/ドルのチャートを見ると、2014年の後半からメキシコペソ安が加速していますが、これは原油安が主な要因と考えられます。

メキシコは世界有数の埋蔵量を誇るメキシコ湾があり、石油生産量でも世界トップ10前後にランクされます。

これによりメキシコペソは原油価格と一定の連動性を持っています。

2014年前半は1バレル=100ドル以上で取引されていたWTI原油価格は2015年には40ドル~60ドルまで下落し、2016年2月には1バレル=25ドルまで下落しました。

1年半で約1/4になっており、極めて極端な下落でした。

これによりメキシコペソも2014年後半に1ドル=13メキシコペソ前後でしたが、2016円2月には1ドル=19メキシコペソまで下落しました。

2016年3月以降原油価格は持ち直し、メキシコペソも一時、上昇傾向に転じましたが、下記に記載したように、メキシコに対し厳しい姿勢を取るトランプ大統領誕生により、再度下落基調となりました。

トランプ大統領誕生の影響によるメキシコペソ安

メキシコは米国に隣接し、輸出の約80%が米国向けとなっていることから経済活動における米国の依存度は非常に高くなっています。

これまでも米国経済が好調な時はメキシコも好調で、米国経済が不調な時はメキシコもマイナス影響を受けることが多くありました。

トランプ大統領は、国境に壁を建設することや、メキシコで生産された自動車を米国に輸入する際に関税を掛けることなど、メキシコにとって厳しい外交政策を取ろうとしています。

その懸念の為、2016年11月の大統領選前後からメキシコペソの下落が続いています。

メキシコペソ安によるインフレ率上昇

メキシコ中央銀行のインフレ目標は3%±1%(2%~4%)ですが、メキシコペソが大きく下落し始めた2016年の後半からインフレ率が上昇をはじめ、2017年1月現在、4.72%まで上昇しています。

通貨安によりインフレ率が上昇し、インフレ率の上昇により更なる通貨安が起こることを懸念し、メキシコ中央銀行は2016年だけで5回の利上げを行って対応しています。

高いインフレ率が継続すると購買力平価がどんどんメキシコペソ安の方向にシフトしてしまいますが、メキシコペソ/米ドルの購買力平価は1ドル=13メキシコペソ前後と推計され、現在の価格は購買力平価対比では大きく割安となっています。

購買力平価と為替の関係については「為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用」を参照してください。

メキシコ(ペソ)のファンダメンタルと将来性

中南米を代表する国で世界最大の消費国である米国に隣接しているという地理的メリットがあり、今後も工業等の成長が見込まれています。

豊富な資源

豊富な埋蔵量を誇る原油をはじめ、世界1位の生産量を誇る銀や世界4位の銅など豊富な天然資源を有しています。

シェールガス埋蔵量も世界6位にランクインしており今後の展開が注目されます。

内需の成長

人口は約1.3億人で、30歳未満が人口の半数以上を占めている若い国といえます。

人口増加と経済成長により個人消費は順調に伸びています。

メキシコ人口ピラミッド

健全な財政状況と高格付け

他の主要国と比較しても政府債務対GDP比は非常に低く、健全な財政状況と言えます。

メキシコ政府債務

メキシコは過去2度の通貨危機を経験しており、その教訓から2006年に財政責任法が施行され、例外的な事由を除いては財政赤字が許されない仕組みとなっています。

その結果、新興国の中でも格付けは高くなっており、S&Pの自国通貨建て長期債務格付けは日本と同ランクのAとなっています。

メキシコペソヘの投資

メキシコペソ建て債券に投資する投資信託が一般的

以前、トルコリラの紹介で掲載しましたが、メキシコペソもトルコリラと同様、債券か投信で投資することになります。

ただしコスト面等から投資信託で投資するのがベターと考えられます。

「外債による投資か投信による投資か?」についてはこちらを参照してください:トルコリラヘの投資を考える/通貨は大きく下落+高金利

高い利回り

2017年2月現在、メキシコペソ建て5年国債利回りは7%前後ですので、投信の信託報酬を控除した場合、5%~5.5%程度となります。

3年程度、保有するイメージで考えると、金利に変化がなければメキシコペソベースでは3年で15%以上増加します。

1メキシコペソ= 5.5円を基準に考えると、3年後に1メキシコペソ=4.8でもプラスの水準です。

タイミングとしては悪くないと思われるが‥・

ある程度悪い材料は織り込んでいると考えられ、金利水準も高いことから投資するタイミングとしては悪くないと考えられます。

しかしこれもトルコリラなどと同様ですが、それなりにリスクも高いため、運用のコア商品ではなく、あくまでサテライトとして、高利回り志向のお客様に提案するのがよろしいかと考えます

チェックするべきリスクファクターとしては基本的にこれまでと同じで、原油価格の動向、インフレ率の動向、トランプ大統領の発言や政策などを確認しておけばよいと考えられます。

メキシコペソ建て債券に投資する投資信託

三菱UFJメキシコ債券オープン(三菱UFJ国際投信)

メキシコ債券オープン(愛称:アミーゴ)(大和住銀投信投資顧問)

メキシコ債券ファンド(愛称:ラ・バンバ)(三井住友アセットマネジメント)

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