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トルコリラヘの投資を考える/通貨は大きく下落+高金利

投稿日:2017年2月12日 更新日:

トルコリラは対米ドルでは長期的に下落傾向です。

対円でも、ドル円の影響で上下することもありますが、トルコリラ/米ドルの影響が大きくこちらも長期下落傾向です。

不安定な通貨でリスクもそれなりに高くなりますが、感覚的に安く感じる水準になってきたのでトルコリラヘの投資について1度、ポイントを整理してみたいと思います。

通貨安の要因について

高いインフレ率

ここ数年はトルコ中央銀行のインフレターゲットの上限である7%を超えるインフレ率が続いています。

トルコインフレ率推移

その結果、継続的に購買力平価がトルコリラ安方向にシフトしており、トルコリラ/米ドルの購買力平価は2016年12月現在で1ドル=3トルコリラ前後となっています。

長期的なトルコ安の大きな要因としてこの高いインフレ率が継続することによる購買力平価の低位シフトが考えられます。

為替の長期推移と購買力平価の関係はこちらを参照してください

2017/2/10現在、トルコリラ/米ドルのスポットレートは1ドル=3.7トルコリラまでトルコリラ安が進んでいる為、対米ドルの購買力平価対比ではある程度安くなっていると考えられます

高いインフレ率が長期的な通貨安の原因と言われますが、逆に通貨安が更なるインフレを招くという悪循環に陥っています。

高いインフレ率に対応するため、トルコ中央銀行は2016/11/24に3年ぶりの利上げを実施し、政策金利である1週間レポレートと上限金利である翌日物貸出金利をそれぞれ8.0%、8.5%に引き上げました。(下限金利ある翌日物借入金利は7.25%で据え置かれました)

景気低迷

トルコ経済は世界的に景気が低迷した2001年とリーマンショックの影響が残った2009年はマイナス成長となりましたが、それ以外の年は比較的高い実質GDP成長率を続けてきました。

しかし2016/12/12に発表された2016年7-9月期(3Q)は-1.8%となり、4半期ベースでも2009年7-9月期以来、7年ぶりにマイナス成長となりました

ただし、下記にあるように2016年7-9月期(3Q)は政治・社会情勢不安による景気減速の面も大いにあると考えられます。

その影響で卜ルコ経済で大きなウェイトを占める観光業も低迷したことも、GDPにマイナス影響を与えたと考えられます。

今後、政情不安が和らげば、実質GDP成長率はプラスに回復する可能性が高いと考えられます。

政治・社会情勢不安

2016年7月~9月はトルコで多くの出来事が起こった時期でした。

7/15には軍の一部が主導したクーデター未遂事件が起こり、さらにIS(イスラム国)やクルド人武装勢力に関連するテロ事件も多数発生しました。

特にクーデター未遂事件の際には、国家非常事態宣言が出され、大きな混乱が起こりました。

トルコは恒常的に政治・社会情勢不安が続いており、今後も注意が必要と考えられます。

ドル高

米国大統領選のトランプ勝利により、米国金利上昇し、新興国から資金流出懸念が高まったことでトルコリラは対米ドルで下落が加速しました。

これはトルコリラ固有の要因ではなく、新興国通貨に共通する問題となります。

今後、長期金利だけでなくFRBによる政策金利の利上げも想定されておりますが、ある程度までは織り込まれていると考えられます。

トルコリラヘの投資

トルコリラ建て債券と投資信託

トルコリラに投資するには、トルコリラ建ての債券を購入するかトルコリラ建ての債券に投資する投資信託を購入するのが一般的になります。(もちろんFXでも可能ですが)

債券に直接投資する場合は、投信のように販売手数料や信託報酬はかかりませんが、為替コストが高い点がネックになります。

通常、米ドルなどの先進国通貨と比較すると新興国通貨の為替コストは相当高くなります。

大口取引等で大きく優遇される場合は良いですが、そうでない場合は注意が必要です。

その点、投信の場合はファンド内で為替取引を行うため、機関投資家の大ロレートでの取引となり、実質的なコストはかなり低くなります

よって、大口で為替コストが優遇される場合を除いては投信で購入する方が合理的と言えます。

ファンド内の為替コストなど投信についての一般的なメリットはこちらを参照してください

現状ではトルコリラ建て債券の利回りが11%程度ですので、信託報酬控除でも9%以上となります。

2017/2/10現在1トルコリラ=30円前後となっています。

上記にあるように、対米ドルでは購買力平価上、ある程度割安になっています。(もちろんインフレ率が低下しなければ、今後も購買力平価はトルコリラ安にシフトしますが)

ドル円の影響も含めて、今以上に円高・トルコリラ安になる可能性もありますが、上記に記載したように多くの悪材料がある程度出つくしていることと、多少の円高・トルコリラ安であれば高い金利で吸収できるため、水準としては悪くないように感じます

イメージとして3年程度保有する前提で、今の金利水準が続けばトルコリラベースで27%増加します。

その分の円高になっても吸収できますので、3年後に30÷1.27=23.6円まで円高になってもプラスマイナスゼロです。

あくまで、コアアンドサテライトでいうところのサテライト部分になりますが、多少リスクを取れて、高利回り志向のお客様には悪くないかもしれません。

トルコリラ建て債券に投資する投資信託の例

トルコ債券ファンド(三井住友アセットマネジメント)

トルコ債券オープン(三菱UFJ国際投信)

野村トルコ債券ファンドトルコリラ建て(野村アセット)

新光トルコ・リラ債券ファンド(アセットマネジメントOne)

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