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カナダドル為替レート(円/カナダドル、カナダドル/ドル)長期推移【チャート・変動要因】

こちらのページではカナダドルの長期チャートと変動要因を掲載しています。

カナダは世界有数の産油国です。カナダドルは資源国通貨としての側面もあり、原油価格との相関性が高くなっています。

また、カナダは経済的に米国との結びつきが強く、米国経済の好不調はカナダ経済に大きく影響を与えます。

それではまず、円/カナダドルとカナダドル/ドルの長期チャートから掲載します。変動要因は箇条書きで掲載しています。(下段の方では10年ごとに区切ったチャートを掲載し、変動要因を細かく掲載しています)

カナダドル(CAD)レート長期推移

円/カナダドルチャート長期チャート

カナダドル/ドル長期チャート

  • 世界有数の原油埋蔵量、天然ガスの産出量を誇り、カナダドルは資源国通貨の1つに数えられ、原油価格との相関が高いと言われている。シェール革命は米国だけでなくカナダの原油生産にとってもプラスとなった。
  • 原油価格の推移はこちら:WTI原油スポット価格 長期推移(チャート、変動要因)
  • カナダは経済的に米国と強いつながりがある(輸出の約70%、輸入の約50%が米国向け)
  • 米国との金利差がカナダドル/ドルレートに影響を与えるケースも多い
  • ただし、米国とカナダの政策金利は概ね同じような推移となっており、米国が高くなったり、カナダが高くなったりを繰り返している(まれに乖離するケースあり)
  • カナダドルの特徴についてはこちらを参照:主要通貨の特徴一覧【資源国通貨・新興国通貨・中国関連通貨のどれに該当するか】

カナダドル(CAD)レート推移と変動要因【1970年代】

円/カナダドルチャート1970年代

カナダドル/ドルチャート1970年代

  • 1976年11月から1978年12月にかけてカナダドルは1ドル=0.97カナダドルから1.2カナダドルに下落した
  • カナダの景気低迷、利下げにより米国との金利差が縮小したことで海外からの資金流入が減少したこと、カナダ政府がカナダドル安を容認する姿勢を見せたこと、政局不安等が下落の要因と考えられる

カナダドル(CAD)レート推移と変動要因【1980年代】

円/カナダドルチャート1980年代

カナダドル/ドルチャート1980年代

  • 1980年代前半のカナダドル高は、他の主要国通貨と同様、カナダドルの要因ではなく、米国のインフレ対策による高金利政策で米ドルが高くなったことが要因と考えられる(1980年代前半は米ドルと円が他の通貨に対して高く推移しており、ドル円レートはほぼ横ばいとなった)
  • 1985年9月のプラザ合意をきっかけに米ドルは他の通貨に対して大きく下落トレンドとなった
  • カナダドルも他の多くの通貨と同様に1986年以降長期の上昇トレンドとなった

カナダドル(CAD)レート推移と変動要因【1990年代】

円/カナダドルチャート1990年代

カナダドル/ドルチャート1990年代

  • 1980年代後半のカナダドルの上昇トレンドは1991年11月まで継続し、1ドル= 1.12カナダドルまで上昇した
  • その後1991年12月から2002年12月までの長期の下落トレンドとなった
  • 1990年代後半の下落は、1997年アジア通貨危機、1998年ロシア危機によるリスクオフムードの台頭と、原油価格下落による景気悪化を防ぐため1996年~1998年にかけてカナダ銀行が大幅な利下げをおこなったことが要因である

カナダドル(CAD)レート推移と変動要因【2000年代】

円/カナダドルチャート2000年代

カナダドル/ドルチャート2000年代

  • 2003年からりーマンショックが起こった2008年の中頃までカナダドルは上昇トレンドとなり、1ドル=1.6カナダドルから0.9カナダドル台まで上昇した
  • この間は世界的な好景気でリスクオンムードが強かったことと、原油価格が大幅に上昇したことがカナダドル上昇の大きな要因である。
  • また2002年~2003年にかけてカナダドルが急上昇しているが、この間、米国は利下げ、カナダは利上げを行っていたことが要因である
  • 2008年のリーマンショック時は一時的に下落したが、比較的早期に回復過程に入った

カナダドル(CAD)レート推移と変動要因【2010年代・2020年代】

※2020年以降のデータも当面こちらに追加していきます

円/カナダドルチャート2010年代・2020年代

カナダドル/ドルチャート2010年代・2020年代

  • リーマンショック後の戻りは2011年まで継続し、2011年7月に1ドル=0.94カナダドルまで上昇、その後2013年前半までは1ドル=1.0カナダドル前後で比較的強い推移となった
  • この間、米国のFRBがゼロ金利を採用し、更に量的金融緩和に進んだのに対し、カナダ銀行は2010年6月には利上げを開始し、2010年9月までに3度の利上げを行った
  • この米国金融緩和、カナダ金融引き締めの動きがカナダドル高の要因となった
  • 2014年以降、カナダドルは下落トレンドになった
  • これは2014年中頃から原油価格が下落し始め、2014年6月に1バレル= 110ドル前後であったWTI原油価格は2016年2月に1バレル=25ドルとなったことが要因の1つである。また、原油価格下落による景気低迷を恐れたカナダ銀行が2015年に2度の利下げを行ったこともカナダドル下落の要因となった。
  • 2015年は米国が最初の利上げを始めたタイミングであり、2010年の逆の現象となった
  • 2016年にはリーマンショック後初めて米国の政策金利がカナダの政策金利を上回った。2019年に入り米国が予防的利下げを開始、2019年10月には米国・カナダの政策金利が1.75%で並んだ
  • 2016年〜2019年は概ね原油価格にリンクした動きとなったが、それほど大きなボラティリティ(変動率)とはならなかった
  • 2020年2月、新型コロナウイルスの影響によりマーケットがリスクオフとなる中、カナダドルも下落基調となった。さらに、2020年3月、OPECプラスの協調減産協議が決裂し、サウジアラビアとロシアが原油を増産したことで、原油価格は大幅に下落した。この影響によりカナダドルも大幅に下落した。
  • 2020年の後半は原油価格が反発、世界景気の回復期待もありカナダドルも反発した。
  • 2021年4月、景気回復が見込めることと、ワクチン接種が進んでいることを理由に、カナダ中銀は他国に先駆けてテーパリング(資産買入れの縮小)を表明した。これによりカナダドルは上昇した。
  • 2021年~2023年のカナダドルは対円では上昇、対米ドルでは下落となった【通貨の強弱:米ドル > CAD > 円】

関連ページ

カナダの政策金利とインフレ率の推移はこちらを参照してください!



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